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投稿日 2023年 11月 20日
目次
2023年11月12日-11月18日の期間中に資金調達を実施した11プロジェクトを紹介していきます。
過去の資金調達を実施したまとめ記事は下記よりご確認ください。
Michael Egorov, MrBlock, Jinwoo Park, Sho Yoshidaなどが参加するプレシードラウンドで、100万ドルを調達。
Napierは、Curveエコシステムを拡張するレイヤーとして機能しする利回りトークン化プロトコルです。
Napierの機能を利用することで、ユーザーは固定利回りによって資産を運用できるようになり、従来よりも柔軟なイールドマネジメント戦略を行うことが可能となります。
預け入れた資産の利回りを活用したプロダクトは、現在開発や実装が少しずつ進み始めている領域です。
預け入れた資産を「元本トークン」と「利回りトークン」に分け、別々に運用できるようにすることで、利回り利率が多く変動しやすいクリプト世界において、固定利回りという新たなソリューションが誕生しました。
Napierの同業他社としてはPendle Financeが存在しており、こちらも大きな注目を集めています。既にプロダクトが幾つも誕生していることからも、固定利回りの市場は大きな需要があることが窺えます。
Napierは、今後数週間のうちに、トークノミクスやより詳細なメカニズムについて明らかにしていくとのことであり、監査を複数受ける予定とのことです。
公式サイト:https://napier.finance/
X:https://twitter.com/NapierProtocol
Medium:https://medium.com/napier-finance
Discord:https://discord.com/invite/Ju82Zm7aXz
Telegram:https://t.me/napierfi
a16z crypto, css23, Orange DAO, Pioneer Fund, WWVenturesなどが参加するラウンドで、160万ドルを調達。
EthXYは、ポーカー戦闘メカニズムを備えたMMORPGです。Telegramチャット上に構築されていることが特徴であり、チャットウィンドウの中でゲームをプレイする仕組みとなっています。
Telegramというプラットフォームを利用することで、日常の隙間時間に手軽にゲームを遊べるような仕組みとなっており、チャット入力した後のレスポンスも非常に素早いものとなっています。
ユーザーの視点では、単にチャットで入力をしているだけですが、実際にはオンチェーンで全てが実行されています。(ゲームで使用するウォレットアドレスは、最初にメールアドレスを入力し認証が終了した後、自動的に発行されます)
このようなシステムを構築するにあたり、Baseの開発者サポートと取引コストの低さが、非常に役に立ったとのことです。
実際にプレイするには、まず最初に0.033ETHの預け入れをしなければならないことには注意が必要です。
公式サイト:https://ethxy.com/
Game:https://t.me/ethxy
Discord:https://discord.com/invite/ethxy
Telegram(chat):https://t.me/ethxychat
Draper Associatesが主導するラウンドで、410万ドルを調達。他には、Psalion、NGC Ventures、Aquanow、No limit Holdings、Orange DAO、DraperDragonなどが参加。
Hinkalは、流動性の高いファンドやクジラ(大口投資家)の取引戦略のエンド・ツー・エンドのプライバシーに対するゼロ技術ベースのソリューションを提供しています。
Hinkaiプロトコルを利用することで、投資家たちは、好みのdApps上で完全にプライベート且つコンプライアントな環境で、自身の戦略を実行出来るようになります。これにより、フロントランニングに代表されるような、大口の投資家たちが悩んできた問題が解消されます。
こうしたプライバシーを実現するにあたって、ステルスアドレス、シールドプール(shielded pools)、分散型IDといった技術も活用されているとのことです。
現在、HinkaiはEVM DAppエコシステムに注力しており、6つのDApp(Curve、1 inch、Uniswap、Beefy、Convex、Odos)と統合し、スワップ、流動性提供、ステーキングといった機能を含めてローンチするとのことです。
この次には、GMXやLidoを予定しているとのことであり、将来的にはその他の主要なdAppsもエコシステムに組み込むとのことです。
公式サイト:https://hinkal.pro/
X:https://twitter.com/hinkal_protocol
Whitepaper:https://hinkal-team.gitbook.io/hinkal-protocol/introduction/preface
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/hinkal/
Discord:https://discord.com/invite/DGtPbBD6UN
Linktree:https://linktr.ee/hinkal_protocol
Varys CapitalとLatticeが参加するプレシードラウンドで、120万ドルを調達。
Nirvana Labsは、Web3ネイティブのクラウドプロバイダーであり、特にサービスが行き届いていない地域でクラウドの集中化を軽減し、分散型インフラストラクチャを促進するように設計されています。
また、同プロダクトのメリットは数多くありますが、中でもWeb2における同様のサービスと比較して、Web3特有の試みと思われる箇所をいくつか挙げてみます。
Nirvana Labsは、20以上のリージョンと世界中の複数のPoint of Presence (PoP) にグローバルプレゼンスを置くなどして、世界的に規模を拡大しています。
公式サイト:https://nirvanalabs.io/
X:https://twitter.com/nirvanalabsai
Blog:https://nirvanalabs.io/blog
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/nirvana-labs-ai/
Discord:https://discord.com/invite/EjQspBWqdD
Github:https://github.com/search?q=nirvana+labs&type=repositories
Distributed GlobalとCoinFundが主導するシリーズAラウンドで、1400万ドルを調達。他には、Breyer Capital、Galaxy、Arrington Capital、Road Capital、CMT Digitalなどが参加。
Superstateは、規制されたセルフカストディアル型のオンチェーンファンドを開発する資産運用会社であり、オンチェーン投資商品を通じて、投資家がプログラム性やコンプライアンスといったトークン化の利点にアクセスできるように設計されています。
また、Compoundの共同創設者であるRobert Leshner氏によるベンチャー企業であることでも知られています。
Leshner氏によれば、第一世代のトークン化されたファンドは、プライベートブロックチェーン内で機能するか、オフショアエンティティに存在するかのどちらかであり、米国の投資家のアクセスを排除しており不十分とのことです。また、Superstateは、米国の投資家にオンチェーンの利点をもたらすことを目指しているとも述べています。
Superstateは、6月26日に米証券取引委員会(SEC)に提出した登録書類の中で、「超短期国債ファンド」(ultra-short duration government securities fund)について述べており、これは純資産の少なくとも95%を米財務省証券や米国政府機関証券を含む短期国債に投資するとの記載がされています。
SuperstateはSECの認可を得ることが出来た場合、来年初めまでに最初のサービスを提供することを目指しています。最初の製品はイーサリアム上に構築される予定であり、将来的には他のブロックチェーンを追加する可能性もあるとのことです。
今回調達された資金は、チームの拡大及び、機関投資家向けのプライベートファンドの立ち上げに使用されるとのことです。
公式サイト:https://superstate.co/
X:https://twitter.com/superstatefunds
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/superstate/
Kyber Capital Crypto、Spartan Group、Parafiが主導するラウンドで、500万ドルを調達。他には、SkyBridge Capital、Kraynos、Soft Holdings、Deep Ventures、Modularなどが参加。
金融機関がクリプト領域にアクセスする際の問題として、マネーロンダリングに代表されるような様々な規制や法律への遵守を適切に行えるかどうかが問題にあがります。Kintoは、そうした問題に対するソリューションを提供しています。
Kintoが開発するイーサリアムレイヤー2ネットワークは、KYCチェックと投資家認定メカニズムを搭載することで、規制に完全に準拠したものとなっています。これにより、金融機関がブロックチェーンベースのプロトコルにアクセスしやすくしています。
また、Kintoネットワークは、OPスタックを用いて構築されています。OPスタックは、現在主要レイヤー2において導入されている技術であり、ArbitrumやOptimismやBaseといったイーサリアムレイヤー2は全てこの技術を用いて構築されています。
プレスリリースによると、Kintoは 最新の金融機関と分散型プロトコルの両方をサポートできる初のKYCされたレイヤー2ブロックチェーンになるとのことです。
公式サイト:https://kinto.xyz/
X:https://twitter.com/KintoXYZ
Mirror:https://mirror.xyz/kintoxyz.eth
Discord:https://discord.com/invite/utEYFxKFgB
Github:https://github.com/kintoxyz
Speedinvestが主導するプレシードラウンドで、220万ドルを調達。他には、Keyrock、Re7 Capitalなどが参加。
Rho Protocolは、金利デリバティブのために構築された取引所です。
伝統的な金利市場の世界では、デリバティブ・トレーダーの機関投資家レベルのリスク管理が可能となっており、債券やその他の投資商品の基盤を形成しています。
Rhoは、ステーキング、デジタル資産のレンディング、ファンディングレートなど、クリプトに特化した資本効率の高いマーケットを創設することで、クリプト領域のトレーダーに、従来の伝統的な金利市場と同様の利点を提供することを目指しています。
Rho Protocolでは、ステーキングやファンディングといった暗号資産固有のレートは勿論、LIBOR(ロンドンの銀行間取引における金利)の代わりとなるSOFR(担保付翌日物調達金利)のような伝統的な金利取引も可能としているとのことです。
今回調達された資金は、2023年12月に予定されている分散型取引プラットフォームの立ち上げに使用されるとのことです。
公式サイト:https://www.rho.trading/
Lightpaper:https://docsend.com/view/rxaaqccpqyqzhdfd
Request Beta Access:https://www.rho.trading/request-demo
Galileo、Semantic Ventures、Tioga Capital、Nascent、Lightshift、Chorus Oneが参加するシードラウンドで、400万ドルを調達。
Union Labsは、ブロックチェーンの相互運用性に対するソリューションとして、クロスチェーンブリッジ開発に注力しています。
Union Labs独自の試みとして、Relayerに特別な権限を与えないことでプロトコルを制御できないようにし、秘密鍵がハッキングの標的にならないようにしていることが挙げられます。また、メッセージの検証には、ゼロ知識証明が使用されています。
Unionのゼロ知識ブリッジアーキテクチャには、コンセンサスメカニズムである「CometBLS」と、ゼロ知識証明システム「Galois」が含まれています。
今回調達された資金は、雇用と事業拡大に充てられるとのことです。
公式サイト:https://union.build/
X:https://twitter.com/union_build
Docs:https://docs.union.build/
Blog:https://union.build/blog/
Standard Cryptoが主導するラウンドで、750万ドルを調達。他には、Geometry、Collider Ventures、StarkWare、UTXO Management、Bitcoin Frontier Fundなどが参加。
Taproot Wizardsは、自らを「魔法のインターネットJPEG」と表現しており、2013年のビットコイン・ミームを彷彿とさせる魔法使いのマイクロソフトペイント画像のコレクションを提供しています。
Ordinalsプロトコルは、ユーザーが「Satoshis」(ビットコインの最小単位)にデータを書き込むことを可能にするものです。2023年初頭に登場したこのプロトコルは、ビットコインコミュニティは勿論、クリプト業界全体においても、非常に話題になりました。
Ordinalsプロトコルが登場したことによって、ネットワークが増大するといったデメリットもあり、否定派も多く存在します。しかしながら、Ordinalsを活用するTaproot Wizardsが、多くの資金を調達したことからも、大いに注目がされファンも多いことが窺えます。
公式サイト:https://taprootwizards.com/
X:https://twitter.com/TaprootWizards
Blog:https://substack.com/@taprootwizards
Discord:https://discord.com/invite/taprootwizards
Bitkraft Venturesが主導するラウンドで、500万ドルを調達。他には、RW3 Ventures、Sfermion、1Up Venturesが参加。
Bazooka Tangoはゲームスタジオであり、現在はNFTのトレーディングカードゲームとターンベースのPvPのRPGをミックスしたゲーム「Shardbound」を開発中です。
Shardboundは、Spiritwalk Gamesのインディー開発者からBazooka Tangoに引き継がれたゲームですが、引き継ぎ前は未完成の状態でした。Shardboundのオリジナルバージョンは、早期アクセスを達成していたのみであり、2017年に15万ドルを集めただけでした。
ShardboundがBazooka Tangoで復活したという発表は、3月に行われました。現在では、多くの資金を調達しており、開発も完成に近づいているとのことです。
同ゲームは、Immutable zkEVMネットワークにてローンチされる予定です。
今回調達された資金は、チームの拡大及び、ゲーム開発の促進のために使用されます。
公式サイト(Shardbound):https://www.shardbound.com/
X(Shardbound):https://twitter.com/shardbound_game
Discord(Shardbound):https://discord.com/invite/shardbound-game
Reddit(Shardbound):https://www.reddit.com/r/ShardboundOfficial/
Binance Labs、Shima Capital、Spartan Group、Symbolic Capital、Market Across、Big Brain Holdingsが参加するラウンドで、500万ドルを調達(評価額は5000万ドル)。SAFTの形での資金調達。
Sleekは当初、メタバース・プラットフォームである「ChapterX」として発足されました。しかし、メタバースはマスアダプションにはまだ早いと判断された結果、Web3のソーシャルネットワークへと転身したという経緯があります。
ChapterX時代には、Binance Labsのインキュベーション・プログラム(シーズン4)に参加していました。また、Sleekの共同設立者であるChase Guo氏は、ChapterXを立ち上げる前には、Binance Labsの投資ディレクターを務めていた経歴があります。
Sleekは、カードとTelegramボットを介して人々がお互いにつながるのを助けるブロックチェーンベースのソーシャルメディアプラットフォームです。口コミを主軸として、金銭的なインセンティブなしに2万人の認証ユーザーを獲得しています。
Guo氏は、他Web3プラットフォームについて、トークンやインセンティブを使ってユーザーベースを構築しているものの、これはユニークなコンテンツ生成や持続的な成長には繋がらないと指摘します。また、そうしたプラットフォームでは、エアドロップが終わればキャッシュアウトしてユーザーは去ってしまうため、Sleekでは熱狂的なファンを最初に構築するというアプローチをとったとも述べています。
Sleekは発売以来、現在までに約15000枚のカードを販売しており、300000人以上の接続を行ってきました。カードには「prism」と「premium」の二種類があり、値段はそれぞれ$29.9と$34.9となっています。
また、カード販売だけでなく、ナレッジマーケットプレイスの立ち上げも予定しており、専門家が自身の知識をもとに収益化できる仕組みを構築しようとしています。
このマーケットプレイスのローンチは、来年前半を予定しているとのことです。
公式サイト:https://sosleek.io/
X:https://twitter.com/Sleekcard
・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。
・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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