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ポイント・バリュエーション・フレームワーク - Gomble エアドロップのケーススタディ

投稿日 2024年 05月 03日

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目次

免責事項:このレポートの内容は、著者の意見を反映したものであり、参考目的のみに提供されています。トークンの購入や販売、プロトコルの使用を推奨する意図はありません。このレポートに含まれる内容は、投資アドバイスではなく、そのように解釈されるべきではありません。

注意:この記事は多くの仮定に基づいて作成されており、金融活動の根拠として使用することはできません。

元記事:Point Valuation Framework — Gomble Airdrop Case Study

はじめに


ポイントシステムは、現在トークンをエアドロップする標準的な方法となりつつあります。しかし、ポイントはオフチェーンで処理され、割り当ても多くの場合で非開示なので、ユーザーが実際に受け取るトークンの量や価値を見積もることは難しくなっています。

Whales market のポイント市場は、市場開設前の価格発見に適した良い解決策ではあるものの、市場が開く前に参加する価値があるかどうかを判断するのには役立ちません。

プロジェクトが様々な方法(ステーキング、ソーシャルミッションなど)でポイントを配布する場合、ポイントの価値を見積もることはさらに難しくなります。ポイントインフレを引き起こすソーシャルミッションは不確実性の主な要因となるためです。

しかし、資金が関係する場合(例えばステーキング)には、必ず手がかりがあります。例えば、明確なベンチマーク指標(年間利回り)が利用可能な、ETHステーキングによるポイント獲得では、配布のロジックを理解し、ポイントの価値を予測することができます。

ポイント・バリュエーション・フレームワークを通じて、以下の情報をベースにエアドロップキャンペーンに参加する価値があるかどうかを判断できます。

  • ポイントとトークンの換算レートの計算
  • ポイントのシミュレーションに必要な費用(期待収益率)、トークンのマイニング費用、FDV(完全希釈後時価総額)の理解
  • ベンチマークプロジェクトのFDVに基づいた期待収益のシナリオの作成

本レポートでは、ポイント評価の枠組みがどのように機能するかを理解するため、Gombleのエアドロップキャンペーンをケーススタディとして紹介します。

前提条件


コストを計算し、ポイントとトークンの価格を評価するには、以下の要因を特定または仮定する必要があります。

  • トークンの総供給量
  • エアドロップ割り当ての総量
  • ポイントの総供給量
  • ステーキング資産に配布された合計ポイント数 (またはステーキング資産あたりのポイント数)
  • ステーキング期間
  • 期待収益率
  • デポジット総額(TVL)
  • ベンチマークプロジェクト

Gombleエアドロップについての基本情報


GombleのVision paper によると、総供給量10億$Gのうち10%(1億$G)がエアドロップに割り当てられています。

  • トークンの総供給量:10億$G
  • エアドロップ割り当ての総量:1億$G
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ソース : Gomble Vision paper

Gombleは最近、ステーキングキャンペーンを開始し、ステーキングに配布されるMystery Marble(ポイントに相当)の総量とステーキング期間を公表しました。

  • 日次の総Mystery Marble(以下、MM)配布数は616,320,000で、比率3:1:1で以下の通り;
    • BNBプール: 369,792,000 MM
    • USDTプール: 123,264,000 MM
    • USDCプール: 123,264,000 MM
  • ステーキング期間: 65日
    • 2024年2月29日午前5時(UTC)開始
    • 2024年5月5日午前5時(UTC)終了

ここでは、以下の要因を仮定する必要があります;

  • MMはステーキングとソーシャルミッションで獲得可能。ソーシャルミッションによりポイント総供給量がインフレするため、総供給量は推定できない。そのため、ステーキングにより獲得されるMMの報酬シェアのみを対象としシミュレーションを行う。
  • TVL:ステーキングにロック期間は存在しないため、TVLは1日目から固定され65日間ロックされていると仮定。
  • 期待収益率:TVLが固定されていても、各プールの重みが時間とともに変化し、BNBの米ドル価値も変動するため、期待収益率は変動する。計算のため便宜上以下を仮定;
    • 各資産の価格とAPRは固定
    • BNB、USDT、USDCのTVL比率は3:1:1で固定
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ソース:Wall street prep

  • (追加想定)トークンの100%がTGEでエアドロップされる。
  • (追加想定)DareからのMMバーンは考慮しない。Dareはハウスエッジ10%のゼロサムPvPベッティングゲーム。

MM (Mystery Marbles) と $Gの変換レートの計算


執筆時点で、MM (Mystery Marbles) を取得する方法は2種類となっています。

  • ソーシャルミッション
  • ステーキング

ステーキングによるMMは固定量ですが、ソーシャルミッションで取得するMMはインフレする性質があります(Sybil攻撃が容易なため)。したがって、ステーキングプールからのMMシェアを使って、以下の式で変換レートを計算する必要があります。

変換レート = ステーキング向けに排出されるMM総量 / (ステーキングMMシェア × MMに配布される$G総量)

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0 - 10% のレンジは非常に変動が激しいので 10 - 50%のステーキング率を想定します。

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考慮すべき重要な点として、2月22日にGombleはSpaceKids SagaとOG Spaceshipという名のNFTコレクションを発表しました。OG Spaceshipコレクションは初期コントリビューターに配布され、3月から4月にかけてオークションが実施されます。

Spaceship NFTが購入され、SpaceKids無料mintのホワイトリストがステーキングとエアドロップキャンペーンを通じて配布されるため、これらの割り当てを考慮することが重要です。

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ソース:Gomble Medium

どれくらいのトークンがエアドロップされるかは分かりませんが、DymensionとAltLayerのエアドロップ割り当てをベンチマークとして使うことができます。

  • Dymensionはさまざまなコレクションへのエアドロップとして総供給量の1.25%を割り当てました。
  • AltLayerはNFTホルダーに総供給量の1.06%を割り当てました。
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ソース:Dymension Medium

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ソース:The Defiant

GombleがローンチするNFTがエコシステムにおいて重要な役割(例:DAO)を果たすことを考慮し、総供給量の2%がSpaceshipとSpaceKidsに割り当てられると仮定しましょう。

ステーキング報酬のMM総量40,060,800,000
MMホルダーに配布される$G総量80,000,000
NFTホルダーに配布される$G総量20,000,000
$G 総供給量1,000,000,000

NFTへの割り当てを考慮し、調整された変換レートは5,008:1 ~ 1,002:1となります。

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$G<>MMの変換レートが分かったので、次はポイントの価値がシェアに応じてどのように計算され変化するかを確認します。

期待リターンを理解して、マイニングポイントとトークンのコストをシミュレーションする


資本を投入する際には、常に期待リターンというコストが発生します。期待リターンとは、投資家が投資から得ることが期待される利益または損失のことです。

例えば、BNB、USDC、USDTに$1000を3:1:1の比率で分配した場合、期待リターンは20.05%になります。

  • BNB:年利21.51% (Binance Launchpoolの平均APY24%を複利換算)
  • USDT:年利17.59% (3/6時点でのVenusへの供給APYを複利換算)
  • USDC:年利18.13% (3/6時点でのVenusへの供給APYを複利換算)

より高いAPRの商品がある場合、期待リターンはより高くなります。

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ソース:Venus

Gombleでのステーキングでは、投資家は他の金融商品の確定金利という確実性を放棄し、より高いリターンを求めてリスクを受け入れます。したがって、Gombleでのステーキングから得られる期待リターンは20.05%(65日の期待リターンなら3.57%)を上回る必要があります。これが資本コストと考えられます。

ここで放棄した期待リターンを使用して、以下の式で1MMあたりのマイニングコストを計算できます。

1MMあたりのマイニングコスト = (TVL期待リターン) / {(エアドロップ割り当てステーキングポイントのシェア*)**換算レート}

執筆時点で、GombleのTVL(Total Value Locked)が1,000万ドルに到達しています。この値を式に代入すると、1MMあたりのコストは**$0.000009**となります。

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ステーキングにより獲得可能なMMの総供給量は固定されているため、1MMあたりのコストはステーキングMMの報酬シェアに関係なく一定です。一方、TVLが増加すれば、下のグラフのように1MMあたりのコストは線形に増加します。

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したがって、TVLが低い段階で早期にステーキングすれば、MMをより低コストでファームでき、またブロックごとに線形的にMMが分配されるため、より多くのMM報酬を獲得することができます。

上記の計算を通じてMMの獲得コストを算出することができました!

しかし、ここで完了ではありません。私たちの最終目標は$Gを計算することです。$Gのマイニングコストを計算するのは簡単で、以下の式を通じて算出することができます。

$Gのマイニングコスト = 1MMあたりのマイニングコスト * 変換レート

変換レートはステーキングMMの報酬シェアによって変わるため、MMとは異なり、$G1単位あたりのマイニングコストは異なります。

例えば、ステーキングMMの報酬シェアがMMの総供給量の10%で、TVLが1000万ドルのままだとすると、$G1単位あたりのコストは**$0.0446**となり、ローンチ後の$GのFDVが4460万ドルを上回らないと採算が取れません。そうでない場合は、資本コストを賄えません。

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TVLを調整して、ステーキングMMの報酬シェアが10~50%の範囲でどのように1MMあたりのマイニングコスト、$G、そしてFDVが変化するか確認しましょう。

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ポイントのコストはTVLのみが影響を与える一方で、$G1単位あたりのコストやFDVはステーキングMMの報酬シェアによって変わる変換レートの影響を受けるため、線形にはなりません。

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グラフ上には$Gのマイニングコストが急上昇する変曲点があり、TVLが大きくなるほどその変動は大きくなります。

ここから学べることは、$Gのマイニングコストに影響を与える要因はTVLと総MMの供給量であり、総供給量はソーシャルミッションによって膨らむということです。つまり、より多くの人がソーシャルミッションに参加すれば(総供給量の増加→シェア減少→コスト上昇)、ステーキング参加者は自動的に不利になります。

Gombleのポイントシステム設計にはこのようなステーキング参加者にとってのリスクがあります。参加者が不利にならないよう保護するためにプロジェクトは以下の3点を検討する必要があります。

1)総供給量のコントロール

2)ポイントを消費する仕組みの作成

3)ステーキング向けMMの割当増加

総供給量をコントロールするのはほぼ不可能で、プロジェクトがSNS等での盛り上がりを捨てるのは難しいでしょう。したがって、ステーキングTVLを増やすには2番目と3番目の選択肢を検討する必要があります。

ベンチマークプロジェクトのFDVに基づいてROIのシナリオを作成する


仮に、Gombleが1億ドルのTVLと5%のステーキングポイントシェアを達成した場合、$Gのマイニング希薄化後評価額(FDV)は8億9200万ドルとなり、現在のShrapnelのFDVと同等になります。では、8億9200万ドルのFDVの$Gをマイニングするのは価値があるでしょうか?

このように、参加に値するかどうかを判断するためにはベンチマークプロジェクトを使ってシナリオを作成する必要があります。

Binance Labsからバックアップを受けているゲームスタジオであるGombleのターゲットFDVとして、Binance Labsのポートフォリオ内のゲームプロジェクトおよびBinanceに上場しているプロジェクトを使用すべきです。FDVはCoinMarketCap(CMC)の2023年3月7日時点のデータに基づいています。

  • Fusionist($ACE) - Binance Labsバック、Binance上場
    • FDV: $1.89B
  • Sleepless AI($AI) - Binance Labsバック、Binance上場
    • FDV: $2.15B
  • Shrapnel($SHRAP) - Binance上場
    • FDV: $872M
  • Bigtime($BIGTIME) - Binance上場
    • FDV: $2.32B
  • Portal($PORTAL) - Binance上場
    • FDV: $2.19B

次に、3つのプロジェクトを選んで楽観的、中立的、悲観的なシナリオを作成し、$Gのターゲット価格を計算しましょう。

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TVLごとの$Gのマイニングコストを使ってROIを計算します。TVLとシナリオを変えた2つのROIケースをご覧ください。

ケース1: 極端なシビル攻撃を受けMMシェアが1%となった場合。このケースでは、将来的にTVLが増加すると想定すると、ターゲット価格よりも高い価格でトークンをファームすることになり、マイナスROIシナリオとなります。つまり、勝率が低くなります。

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ケース2: **ステーキングMMシェアが40%の場合。**このケースではMMのシェアが好条件にあります。どのシナリオでも高い利回りが得られます。

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ステーキングMM報酬のシェアとTVLによってROIは変わってきます。自身でベンチマークプロジェクトとシナリオを設定することで、より良い意思決定ができるようになります。

まとめ


ポイントの価値だけを計算するのは不十分です。ファーミングしているプロダクトのコストとFDVを理解し、意思決定のためのシナリオを作成することが重要です。ポイントシステムを理解し、フレームワークを作ることで、以下のような場面で適切な決定ができるようになります。

  1. ステーキングに値するか判断する → トークンとポイントのマイニングコストを計算し、ベンチマークプロジェクトを使ってシナリオを作成
  2. ステーキングを止めるタイミングを決める → 資本コストまたは期待リターンを使って損益分岐点のTVLを計算
  3. プレマーケット評価 → ステーキングのマイニングコストを考慮

この記事を最後まで読んでくれた方に、記事全体のプロセスを計算できるスプレッドシートテンプレートを添付しました。投資家の方々やエアドロップキャンペーンを実施するプロジェクトにとって、より賢明なエアドロップ戦略を立てる一助となれば幸いです。

Point Valuation Framework - wisekimさんから

<参考文献>

Author: wisekim X - 旧Twitter Despread - リサーチ・コントリビューター

免責事項


  • 本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
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  • 本レポートは、Despreadが作成に協力しています。Despreadや筆者は、本文中で触れている暗号資産を保有している可能性があります。こちらのレポートに書かれている見解は、筆者の個人的なもので、情報提供のみを目的としています。トークンの売買やプロトコルの利用を推奨するものではありません。また、本レポートは投資アドバイスではないことをご留意ください。

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