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投稿日 2023年 10月 17日
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9月前半のビットコイン相場は、安値$24,900~高値$27,500を推移する形となり、今年3月からの$27,000を中心とするレンジの下を推移しています。
8月の大きな下落(ロスカット)後の今月は、市場参加者が少なく、大きな方向感のない値動きとなっており、引き続き、メジャーなコインが小さな時価総額のコインをアウトパフォームする展開が続いています。
DeFiでは、主にプロダクトの存続に関する議論や提案が数多く浮上しており、ベア相場におけるトレジャリー解散・分配や、そもそもプロダクトチームを解散してサンセットの決断など、開発チーム陣が資金調達に苦戦している状況となっています。
RWAなど伝統的金融から利回りを獲得する動きは、プロダクトのみならず、プロジェクトDAOの保有トレジャリーを運用に回す動きや、ドル以外にECBのユーロ債券などを導入する動きなども見られています。
主要な指標はほぼ横ばいでしたが、上記のような動き(RWA導入による収益期待など)から主要銘柄で構成されるDPIはややポジティブなパフォーマンスを見せています。
取引高のドミナンスに大きな変動はありませんが、水準としては、2022年12月の閑散相場を下回るトータル取引高となっており、アクティビティが大幅に減少していることがわかります。
過去には一定の取引高を記録していたSushiやBalancer、QuickSwapなど、老舗アプリケーションが取引高を維持するのに苦戦している様子となっています。
一方で、Maverickはそんな中でシェアを徐々に拡大させており、9月待つ時点で全体の5番目のボリュームを記録しています。
より低い手数料ティアや資本効率の改善を提供するプロダクトが、アグリゲーター等を通じて自然に取引高を伸ばしており、今後はトークンインセンティブではなく実際の取引実現の効率性がさらに求められます。
9月に入り、資金調達環境の悪化もあり、PMFを達成できなかったプロジェクトが相次いで開発の終了や解散を発表しています。
Fuji Financeによる解散発表(参考)
また、トレジャリーに一定の資産を持つプロトコルDAOにおいては、Vesta Financeのようにトークンホルダーに対してトレジャリー資産を比例分配するような動きも見られています。
今後資金流入が見込めず、プロダクトの成長余地が小さいプロダクトに関しては、資金繰りやモチベーションなどの要因で開発の終了やトレジャリーの解散が進む可能性があります。
他方、ある程度の資金量を持ち一定の規模に到達している大型DAOに関しては、トレジャリーの運用などを通じて収入を生み出すことができるため、この点で優位性を持つと考えられます。
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