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投稿日 2023年 12月 05日
目次
2023年11月26日-12月2日の期間中に資金調達を実施した9プロジェクトを紹介していきます。
過去の資金調達を実施したまとめ記事は下記よりご確認ください。
Animoca Brandsから戦略的投資を獲得。
Farcanaは、三人称視点シューティングゲーム(TPS)「Farcana」を開発しています。
同ゲームの特徴としては、ビットコインの賞金プールが備わっていることが挙げられます。現在、4万人以上のユーザーを集めており、ドバイでの初期プレイテストに基づいて新しいトーナメントが計画されています。
今回調達された資金は、Farcanaの機能強化とビットコインエコシステム内での統合に使用される予定です。Farcanaはトークンのローンチと来年初めのフルゲームリリースに向けて準備を進めている最中です。
今回の投資家はAnimoca Brandsですが、この背景としてAnimoca Brandsが現在、MENA地域に非常に注力していることを踏まえておかなければなりません。
MENA地域は、中東・北アフリカ地域(Middle East & North Africa)の国々を指す略称であり、Web3領域に非常に注力しているフロンティアとしても知られています。Animoca Brandsは香港を拠点としていますが、その投資先やパートナーシップの相手にはMENA地域を拠点とする企業やプロジェクトが数多くあります。
その中でも、10月30日に発表された「NEOM」との戦略的パートナーシップには注目です。
NEOMは、サウジアラビアの巨大スマートシティ計画であり、紅海の北側のアカバ湾沿岸に建設されています。NEOMは国家の枠組みを超えた「準独立」という仕組みとなっており、その舵取りはNEOM組織に委ねられることになります。NEOMは、独自の法律、規制、当局をもつ自由特区として運営される予定です。
そして、Animoca Brandsは「Saudi Vision 2030」のWeb3イニシアチブを推進するために、NEOMとの戦略的パートナーシップを結びました。これにより、NEOMは、Animoca Brandsに対して5000万ドルの投資を行うこととなりました。Animoca Brandsは、Web3エンタープライズサービス機能の構築や、同地域のWeb3エコシステム育成に注力します。
このように、Web3領域が大きく進歩しているMENA地域に対して、Animoca Brandsは非常に大きなコミットを見せています。Farcana(UAE)への多額の投資も、このようなMENA地域へのコミットの一つと見做せるかもしれません。
公式サイト:https://www.farcana.com/
X:https://twitter.com/FarcanaOfficial
Whitepaper:https://docsend.com/view/wh2xg3jpfi4n8mhf
Medium:https://farcana.medium.com/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/farcana/
Discord:https://discord.com/invite/farcana
Linktree:https://linktr.ee/farcana
Binance Labsから、315万ドルを調達。
Open Campusは、学校、Edtech、ブランドを含む多様なエコシステムを導入するためのスケーラブルなインフラを提供しており、世界中の何百万もの教育コンテンツクリエイターや学習者をWeb3に呼び込むゲートウェイとして機能しています。
また、教育コンテンツの収益化にも注力しており、教育コンテンツをトークン化しています。コンテンツ制作者から得られた収益はスマートコントラクトに蓄積されていきます。また、Open Campus採用者によって発行されたPublisher NFTは、マーケットプレイスで売買することが可能となっています。
Open Campusは、今回の資金調達によって、コンテンツ作成者の収益可能性を高め、共同所有者の収益分配を可能にするPublisher NFTの立ち上げを通じて、新規ユーザーをWeb3に取り込み、より多くのネイティブユーザーを参画させるとのことです。
EdTechは、教育(Education)× テクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉であり、徐々に注目を集めつつある領域です。今回、Open Campusを取り上げましたが、同様の試みをするプロジェクトは他にもあります。例えば、Animoca Brandsの子会社であるTinyTapが挙げられます。
教育市場は、5兆ドルの大規模なものとなっていますが、その中でもEdTech分野におけるリーダーがTinyTapであり、ユーザー生成コンテンツパブリッシャーでもあります。TinyTapプラットフォームは、App StoreとGoogle Playでトップ10の売上を誇る子供向けモバイルアプリケーションであり、1000万世帯以上が利用しています。
また、TinyTapとOpen Campusは、Care Bearsと新たなパートナーシップを結び、「気候変動」テーマとした子供向け教育ゲーム制作を行うことを、8月2日に発表しています。
このパートナーシップでは、教育ゲームの開発だけでなく、NFTトークンの応用を模索することも盛り込まれています。
Web3技術を用いた試みは各分野にて行われてきましたが、教育分野に関するものは未だ注目がされていない傾向にあります。Web3領域におけるEdTech分野の動向に注目が集まります。
公式サイト:https://www.opencampus.xyz/
X:https://twitter.com/opencampus_xyz
Discord:https://discord.com/invite/opencampus
HongShan(旧Sequoia China)が主導するシードラウンドで、500万ドルを調達(評価額は5000万ドル)。他には、Consensys、Hack VC、OKX Ventures、Redpoint Ventures、Hashkey Capital、Foresight Venturesなどが参加。
MYXは、いわゆるP2Pool2P (ピアツープールツーピア)モデルを採用する分散型デリバティブ取引所です。また、独自のマッチングプールメカニズム(MPM)によりスリッページゼロを実現していることも特徴です。
MPMエンジンの下では、流動性提供者(LP)は未決済建玉(Open Interest)にのみアクセスすることになっており、流動性管理が簡素化されています。
従来のピアツープールモデルでは、LPはロングとショートの両方のポジションのカウンターパーティーリスクを負担することになり、各取引が一定量の流動性を拘束することになり、資本効率が低くなってしまいます。しかしながら、MPMでは、ロングとショートのトレーダーをペアリングし、カウンターパートがマッチングされた時点で、拘束された流動性が即座に解放されます。これによりLPの資本効率を高めています。
このような仕組みは、トレーダー、マーケットメーカー、LPを対象として、ユーザーの需要に基づいた持続可能なリターンを提供するために構築されました。
これ以外にも、MYXは、テイカー手数料は0.07%、メイカー手数料は0.045%と他取引所と比較しても非常に低く手数料を抑えるなどしており、より良いユーザー体験の実現に注力しています。
公式サイト:https://myx.finance/
X:https://twitter.com/MYX_Finance
Medium:https://myxfinance.medium.com/
Discord:https://discord.com/invite/myx
Gitbook:https://myxfinance.gitbook.io/myx/protocol/myx-protocol-overview
Global Founders CapitalとSpartan Groupが主導するラウンドで、380万ドルを調達。他には、Saison Capital、Alumni Ventures、Tiny VCなどが参加。
Windは、セルフカストディアル型のウォレットを提供しています。ユーザー体験を向上させるために簡素なインターフェイスとなっており、即時決済や取引手数料の削減、5%を超える利回りへのアクセスもユーザーに提供されています。
Windが他社と比較して特に注力しているのが、クロスボーダー決済とオン/オフランプ・ソリューションです。Windは独自のインフラを開発しコストを最小限に抑えることで、既存のサービスと競争可能な価格を実現しています。
同社は、Web3上で国境を越えたグローバルな送金・決済ネットワークの構築を目指していますが、現在は米国と東南アジア間に注力しているとのことです。
公式サイト:https://wind.app/
X:https://twitter.com/WindAppHQ
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/windapp/
a16zが主導するシードラウンドで、500万ドルを調達。他には、Marcy Ventures Partners、Superlayer、Thirty Five Venturesなどが参加。
Setterはニューヨークを拠点としており、ブランドが限定商品の販売促進や限定ドロップを顧客に提供するためのソリューションを開発しています。
Setterアプリは、一見するとWeb2のアプリのように見えますが、実際には本格的なスマートコントラクトウォレットとなっています。これは、Web3への参入をより多くのユーザーにとってよりシームレスな体験にすることを目指しているためです。
同社は、現在、ストリートウェアやスニーカーブランドとのパートナーシップに注力していますが、将来的にはファッション、高級品、コレクターズアイテムにも拡大していくとのことです。
公式サイト:https://www.setter.co/
X:https://twitter.com/setter_app
App(iOS):https://apps.apple.com/us/app/setter-the-ultimate-drops-app/id6463495944
Ayre Venturesが主導するラウンドで資金調達。(額は不明)
Radは、Web3の動画ストリーミング・プラットフォームであり、Google、ソニー、ディズニーなどと協力しながら、新しいコンテンツ配信を試みています。
今回の資金調達の発表に伴って、トランザクション・ビデオ・オン・デマンド(TVOD)及び、オープン版または限定版のNFTビデオの公開・購入フローにBSVブロックチェーンの使用を組み込んだことが発表されました。
また、ウォレットサービスを提供するHandCashと統合したことによって、ユーザーの支払いが容易になっています。これは、ブラウザのプラグインを必要とせずにRadでコンテンツを作成および購入できることを意味しています。
このようなWeb3動画ストリーミングのシステムが整うことによって、クリエイターやスタジオには、コンテンツをリリースするこれまで以上の機会がもたらされます。コンテンツ制作者やスタジオは現在、Radに動画をアップロードし、動画に関連するすべてのメタデータ及び価格を設定し、複数の支払先に対して任意の数の収益シェアやロイヤリティを決めることが可能となっています。これにより、コンテンツに関わる全ての人が直接支払いの恩恵を受けることが実現されています。
現在、支払いなどにはネイティブ・ブロックチェーンの通貨が使用されていますが、将来的には多くの支払いに対応し、フィアットへの支払いもサポートされる予定です。
また、ビデオ作成が安価であることもRadの売りの一つであり、イーサリアムにおけるトランザクション一回分のガス代で、RadではBSVブロックチェーン上で50万本の動画を作成することが可能とのことです。
公式サイト:https://rad.live/
Medium:https://medium.com/watchrad
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/radnftv/
Discord:https://discord.com/invite/DwJU8JxGtE
Third Prime、IDEO CoLab Ventures、Alchemy Ventures、OrangeDAO、Soma Capitalなどが参加するラウンドで、385万ドルを調達。
Acctualは、フィアットとデジタル資産の両方に対応する統合AP + AR自動化システムであり、同プラットフォームはERPとシームレスに統合することでファイナンス業務を合理化しています。
Web3ファイナンスは非常に複雑であり、様々な機能のために複数のツールをナビゲートすると、情報が失われ、トランザクションを手作業で見直さなければならないといったミスが多発することがあります。そこで、Acctualは、作業を自動化することによって、正しいベンダーとウォレットアドレスへの正確な支払いを実現しながら、詐欺やスパムから保護するソリューションを提供しています。
また、全てのオンチェーントランザクションが請求書に紐付けられるため、コンプライアンスと可視性を実現することが可能となっています。
公式サイト:https://acctual.com/
X:https://twitter.com/AcctualTeam
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/acctualhq/
Avon Ventures、Placeholder Capital、Druid Venturesが参加するラウンドで、790万ドルを調達。
Grove(旧Pocket Network)は、40以上の異なるチェーンをサポートし、製品やサービスを構築するためのWeb3インフラを提供しています。
特徴としては、分散型物理インフラ(DePIN)であることです。DePINとは、ブロックチェーン技術とトークンのインセンティブを利用して物理的なインフラ・ネットワークを構築することで、他のプロジェクトが独自に設備を購入したり運営したりするコストを必要としないようにするものです。いわば、Amazon Web Services(AWS)や、Google Cloudの分散型バージョンとみなすことが可能です。
このネットワークのネイティブ・トークンである「$POKT」の価格は、今回の資金調達の発表によって、約0.08ドル(11月30日時点)から約0.13ドル(12月2日時点)へと60%以上の上昇を見せました。
今回調達された資金は、DePINの主流採用に向けて前進させる新たなパートナーシップを結ぶために使用されるとのことです。
公式サイト:https://www.grove.city/
X:https://twitter.com/BuildWithGrove
Docs:https://docs.grove.city/guides/getting-started/welcome
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/build-with-grove/
Discord:https://discord.com/invite/build-with-grove
Polychain Capitalが主導するラウンドで資金調達。(額は不明)
Bioniqは、Bitcoin Ordinalsマーケットプレイスです。Dfinityが開発したレイヤー1のブロックチェーンであるInternet Computer Protocol (ICP)上にて、正式にローンチされました。
Bioniqの特徴として、ICPをBitcoinレイヤー2のように扱っていることが挙げられます。これによって、高速な取引の実現だけでなく、トランザクション手数料やガス代がかからないといった、より良いユーザー体験が実現されています。
将来的には、新しく作られるコレクションのためのローンチパッドの構築や、ユーザーがOrdinals資産を担保としてクリプトの借り入れが出来る機能の追加なども計画されているとのことです。
公式サイト:https://bioniq.io/
X:https://twitter.com/bioniqMarket
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