投稿日 2025年 04月 28日
目次
Matrixportおよび商業銀行から6000万ドルのローン、クラスA株式発行により1億1900万ドルを調達。(合計1億7900万ドル)
Bitdeerは、従来の独自マイニングおよびホスティングサービス事業に加え、Bitcoin ASICのサプライチェーンにおける地位確立を目指し、ASIC製造部門への投資を強化しています。2023年には自社ブランドのASICマイナー「SEALMINER」ラインを立ち上げました。
この取り組みの一環として、半導体受託製造大手TSMCに対し、SEAL02チップの生産費用として1億9000万ドル、SEAL03チップのテープアウト(設計完了)費用として5280万ドルを支払いました。さらに、2024年末時点でSEAL02チップの量産に向けた前払い金として3億1000万ドルを計上しており、これらは自社チップ開発への強いコミットメントを示しています。
既に多くの実績を有しており、既存事業である独自マイニングおよびホスティングサービスにおいて、2024年に約1億4700万ドルの粗利益を計上しています。
トランプ大統領のもとで、ビットコインを始めとしたデジタル資産規制環境が整備されることが期待されており、今回の大規模な資金調達は同分野へのさらなる発展を目的としています。
公式サイト:https://www.bitdeer.com/en/
X:https://x.com/BitdeerOfficial
GSRが主導するラウンドで、1億ドルを調達。他には、Big Brain、Anagram、Delphi Ventures、White Star Capital、Maelstromなどが参加。
Upexiは、薬用マッシュルームグミやペット用グルーミングツールなどの製品で知られる米国の消費財企業です。
同社は、今回調達した1億ドルの資金を用いて、Solana(SOL)トークンを蓄積しステーキングするという、新たなデジタル資産ベースの財務戦略へ大きく舵を切ることを発表しました。今回の動きは、一般公開企業によるデジタル資産への関心の高まりを示す一例と言えます。
今回の資金調達発表をきっかけとして、同社の株価は一時約2.30ドルから19ドルへと700%以上も急騰しました。(発表前時価総額は300万ドル)
これまでの暗号資産を用いたトレジャリー戦略は、Strategy(旧MicroStrategy)やメタプラネットなど、ビットコインを用いたものが主流でした。Upexiも今年1月のプレスリリースでは、暗号資産のポートフォリオの少なくとも50%をビットコインに割り当てることを決めていますが、他銘柄も積極的に取り入れようとしていることが、他企業との差別化点と言えるでしょう。
公式サイト:https://upexi.com/
Paradigmが主導するシリーズAラウンドで、5000万ドルを調達。
Nous Researchは、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)とインフラを構築しています。
Nous ResearchはOpenAIやDeepSeekといった巨大テック企業が主導する中央集権的なAI開発の現状に対するソリューションを提供しようとしています。大規模なデータセンターに依存する代わりに、世界中に存在する個人や組織が持つ遊休状態の計算能力(アイドルコンピューティングパワー)を結集し、AIモデルのトレーニングに活用しようとしています。
この分散型トレーニングモデルの基盤にはSolanaブロックチェーンが活用されています。また、ブロックチェーンが持つビザンチン・フォールト・トレランスなどの特性を活かし、データの安全性を確保するとともに、データポイズニング(悪意のあるデータの混入)といったリスクを軽減しています。
2024年12月時点で、150億パラメータを持つLLMを分散型の手法で事前トレーニング中であり、その進捗状況をライブストリーミングで公開し、透明性とパフォーマンスを実証しています。
今回調達された資金は、分散型インフラオープンソースAIモデル開発の本格化に使用されます。
公式サイト:https://nousresearch.com/
Discord:https://discord.com/invite/nousresearch
Pantera CapitalとCoinbase Venturesが主導するシリーズAラウンドで、2900万ドルを調達。他には、Aave、Polygon、StarkWareなどが参加。
Symbioticは、柔軟でパーミッションレスな調整レイヤーを提供する共有セキュリティプロトコルです。
Symbioticの最大の特徴は、特定の暗号資産に限定されず、あらゆる資産の組み合わせ(例: ERC-20トークンなど)をステーキングに利用して、モノリシックやモジュラー型のレイヤー1、レイヤー2ブロックチェーンを含む様々なネットワークを保護できる点です。
また、Symbioticは今回の資金調達完了と同時に、新しい経済的調整レイヤーである「Universal Staking Framework」のローンチを発表しました。このフレームワークは、ステーキングを通じてブロックチェーンのセキュリティを強化し、ネットワーク間の協調的な経済インセンティブを創出することを目的としています。
共同創設者のMisha Putiatin氏は、「私たちは、プロトコルが時間とともにセキュリティモデルを進化させながら、リスクを効率的に調整できるモジュラーフレームワークを作成しました。これにより、プロトコルはそのライフサイクルのどの段階にあっても、インフラを再構築することなくセキュリティモデルをシームレスに進化させることができます」と述べています。
公式サイト:https://symbiotic.fi/
Docs:https://docs.symbiotic.fi/
Blog:https://blog.symbiotic.fi/
Github:https://github.com/symbioticfi
Hack VCとAnthos Capitalが主導するラウンドで、2000万ドルを調達。他には、Manifold Trading、Mirana Ventures、Metalayer Ventures、Flowdesk、SCB、MEXC、Amber Group、Selini Capitalなどが参加。
Theoは、個人投資家と機関投資家の両方にとって、機関投資家向けの取引戦略へのアクセスを民主化する分散型取引インフラプラットフォームです。
Theoプラットフォームは、通常ヘッジファンドやプロップトレーディングファームに限定されているような、幅広い高度な取引戦略をサポートする機関投資家グレードの取引インフラへのアクセスを提供します。その核となるのは、Theoが独自に運用するカスタム設計の低遅延バリデーターセットです。
このバリデーターセットは、ユーザー資産のカストディを保証すると同時に、マーケットメーカーやトレーディングファームといった機関投資家カウンターパーティに対してルールに基づいたアクセスを強制します。
Theoのインフラは、市場状況の変化に応じて、パフォーマンスを維持するために自動的に資本を戦略間で再配分する機能も備えています。これにより、単一戦略に特化したプラットフォームがしばしば直面するリターンの低下を防ぎ、リテール参加者にとってより高い安定性とパフォーマンスを目指します。
一方、プロのトレーディングファームにとっても、Theoは優れた資本効率を提供します。Vaultを通じて集められたユーザーの資本を活用することで、リスクを管理しながら新たな収益機会を追求できるようになっています。
公式サイト:https://theo.xyz/
Medium:https://medium.com/@theofnd
Discord:https://discord.com/invite/theo-network
Pantera Capitalが主導するラウンドで、1300万ドルを調達。他には、Multicoin Capitalが参加。
Arch Labsは、ビットコインブロックチェーン上で直接、分散型アプリケーションやプロトコルをネイティブに動作させることを目指しています。その中核となるのが、現在開発中の仮想マシン「ArchVM」です。
ArchVMは、オフチェーンで計算処理を行うことにより、ビットコインのベースレイヤー上でチューリング完全なスマートコントラクトを実現することを目指しています。さらに、Solanaのような高速なトランザクション速度を提供することも目標としています。
ビットコインにスマートコントラクトを導入しようという動きは、BitVMコンピューティング言語がリリースされた2024年10月頃から活発化しています。現在、多くのプロジェクトがBitVMを基盤とし、レイヤー2ネットワークやブリッジを介してビットコインにスマートコントラクト機能をもたらそうとしています。
一方で、Arch Labsのアプローチはこれらとは異なり、資産をレイヤー2にブリッジする必要性をなくし、それに伴う潜在的なリスクを回避することを目指している点が特徴です。
公式サイト:https://www.arch.network/
AppworksとBlockchain Capitalが主導するシリーズAラウンドで、800万ドルを調達。他には、BitGoが参加。
Tallyは、分散型自律組織(DAO)とトークン化されたコミュニティを強化するために設計された包括的なオンチェーンガバナンスプラットフォームです。
Tallyでは、トークンのローンチ、ガバナンス提案の管理、EVM互換チェーン全体でのステーキングメカニズムの実装のためのツールを提供します。カスタマイズ可能なトークン配布、デリゲート管理、自律的な提案実行などの機能により、Tallyは透明で効率的なプロトコルガバナンスを促進しています。
Tallyは当初DAOガバナンスツールとしてスタートしましたが、現在ではEthereumおよびSolanaブロックチェーンにおいて、オンチェーン組織向けのソフトウェアスタックとして最も広く採用されるまでに進化しました。
今回の資金調達でTallyが特に注力するのは、DAOガバナンスにおける低投票率と無関心という課題への対処です。この課題に対応するため、Tallyはアクティブなガバナンス参加者に経済的な報酬を与えるステーキングメカニズムを開発しました。
ユーザーは自身のガバナンストークンをステークすることで「Tally Liquid Staked Tokens (tLSTs)」を受け取ることができ、これにより受動的かつ自動複利の利回りを得ながら、DAO内での議決権を保持することが可能になります。
公式サイト:https://www.tally.xyz/
Whitepaper:https://docs.tally.xyz/
Discord:https://discord.com/invite/sCGnpWH3m4
Hashed Emergentが主導するプレシードラウンドで、125万ドルを調達。他には、Presto Labs、Spaceship DAO、Funfair Ventures、Cosmostation、Crypto Timesが参加。
Catalysisは、分散型ネットワークの構築とスケーリングを容易にする、統一された接続性の高い共有セキュリティエコシステムの構築を目指しています。
現在、EigenLayer、Symbiotic、Kernelといった複数のリステーキングプロトコルが登場していますが、これらを個別に統合するのは開発者にとって複雑な作業となります。Catalysisはこの複雑さを「抽象化」し、開発者が基盤となる共有セキュリティインフラの管理に煩わされることなく、自身の分散型アプリの構築に集中できる環境を提供します。
Catalysisプラットフォームは、以下の主要な利点を提供します。
Catalysisは、Ethereum、Bitcoin、Solanaを含む様々なブロックチェーンエコシステムでのモジュラー展開をサポートしており、リステーキングや共有セキュリティ分野の業界リーダーと積極的に協力しています。
ロードマップとして、現在(2025年Q2)はEigenLayer、Symbiotic、Kernel DAOを統合する最初のテストネット(Testnet 1)の準備または実施段階にあり、Q3ではTestnet 2 (Babylon、SatLayer、Milkyway統合予定)を、Q4ではCatalysis Networkのメインネットローンチを予定しています。
公式サイト:https://catalysis.network/
Docs:https://catalysis.network/#docs
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