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2025年10月12日-10月18日 資金調達を実施したPJ 8選

投稿日 2025年 10月 22日

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Tempo


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Thrive CapitalとGreenoaksが主導するシリーズAラウンドで、5億ドルを調達。他には、Sequoia Capital、Ribbit Capital、SV Angelなどが参加。

実世界の決済に特化したレイヤー1ブロックチェーン


Tempoは決済大手Stripeのインキュベーションから生まれたプロジェクトであり、実世界での高スループットな決済とセトルメントに最適化されたイーサリアム互換のレイヤー1ブロックチェーンです。

本プロジェクトはStripeのCEOであるPatrick Collison氏によって「実世界の金融サービスアプリケーションに最適化された決済指向のレイヤー1」と説明されています。Paradigmの共同創設者であるMatt Huang氏がこのイニシアチブを主導しています。

TempoはすでにOpenAI、Shopify、Visa、Anthropic、ドイツ銀行といった主要企業との早期パートナーシップを確保しており、ブロックチェーンベースの取引をより速く、より効率的にし、日常の商取引で直接利用可能にすることを目指しています。

プロジェクトの勢いを加速させているのが、Ethereum Foundationの研究者であったDankrad Feist氏がシニアエンジニアとして参加したことです。Feist氏の参加はイーサリアム共同創設者のVitalik Buterin氏から賞賛される一方、一部のコミュニティからは企業主導のブロックチェーンへの移籍がオープンソースの理想と商業的利益の境界を曖昧にするとの批判も呼びました。

Tempoの創設は単に暗号資産決済をサポートするだけでなく、それを動かすコアインフラを自ら構築するというStripeの広範な戦略に合致するものです。5億ドルの資金調達と著名な開発者の参加によりTempoは伝統的な金融と暗号資産決済の橋渡し役となることが期待されています。

公式サイト:https://tempo.xyz/

X:https://x.com/tempo

Daylight Energy


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Framework Venturesが主導する1500万ドルのエクイティラウンドと、Turtle Hill Capitalが主導する6000万ドルのプロジェクト開発ファシリティを合わせ、総額7500万ドルを調達。

分散型エネルギーネットワークを構築


Daylightは各家庭の太陽光パネルと蓄電池を接続することで、分散型のエネルギーネットワークを構築するプロジェクトです。旧式で中央集権的な電力網が抱える需要増加への対応力不足や脆弱性といった課題の解決を目指しています。

Daylightは住宅所有者向けにシンプルなエネルギーサブスクリプションを提供します。加入者は初期費用なしで太陽光パネルと蓄電池を設置でき、停電時のバックアップ電源とより安価で予測可能な電気料金を享受できます。

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電力需要が急増した際、Daylightネットワークは参加家庭の蓄電池から蓄えられたエネルギーをグリッドに送り返します(ディスパッチ)。このディスパッチによって生じた収益はシステムに還元され、全参加者の利用コストを引き下げる仕組みです。

加入者はグリッドの安定化に貢献することで報酬として「Sun Points」を獲得できます。このポイントはアプリ内でギフトカードや商品と交換したり、サブスクリプション料金の支払いに充てたりすることが可能です。

さらにDaylightはDeFiの資本を物理的なエネルギーシステムに接続するイールドプロトコル「DayFi」を導入予定です。これにより投資家は住宅用太陽光・蓄電池ポートフォリオからの電力収益に裏付けられた利回りを得ることができ、クリーンエネルギーへの新たな資金調達チャネルを開拓します。

プロジェクトは現在、イリノイ州とマサチューセッツ州でサブスクリプションの提供を開始しています。

公式サイト:https://godaylight.com/

X:https://x.com/daylightenergy_

Better Payment Network


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YZi Labsが主導するシードラウンドで、5000万ドルを調達。

プログラマブル決済ネットワーク


Better Payment Network (BPN)はBNB Chain上に構築された決済ネットワークであり、複数のステーブルコインを活用したグローバルな資金移動の実現を目指しています。

BPNはCeFi(中央集権型金融)とDeFi(分散型金融)を組み合わせた独自の「デュアルレール」システムを採用しています。これにより異なる法域間でのリアルタイムなステーブルコインの発行、交換、償却を可能にし、決済流動性のために滞留していた莫大な資本を解放します。

BPNはこの仕組みを通じて送金時間を3〜4時間に短縮し、平均手数料を30bps(0.3%)まで削減することを目指しています。

CeFiモデルは企業や認可された決済機関を対象とし、法定通貨ゲートウェイを介したKYC/KYB準拠の送金を提供します。ブラジルレアル(BBRL)やナイジェリアナイラ(cNGN)など、米ドル以外のステーブルコインにも既に対応しています。

並行して開発中のDeFiモデルはKYC不要のパーミッションレスなオンチェーン為替市場を開放し、ユーザーは流動性ファーミングやステーブルコインのスワップが可能になります。

今回調達した資金は主にステーブルコイン間の流動性プール設立と、初期のマーケットメイクエコシステムの開発に充当される予定です。

公式サイト:https://www.bpn.finance/

X:https://x.com/bpn_network

Whitepaper:https://www.bpn.finance/BPN-WhitePaper.pdf

Tria


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P2 Ventures、Aptos、自社コミュニティなどが参加するプレシードおよび戦略的ラウンドで、1200万ドルを調達。

自己管理型ネオバンク


Triaは暗号資産を「実際に使う」際の最大の障壁である複雑さを解消することを目指すグローバルな自己管理型(セルフカストディアル)ネオバンクです。

ユーザーはガス代、ブリッジ、シードフレーズを意識することなく、単一の残高から支出、取引、収益獲得をすべて行えるようになります。

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Triaは150カ国以上で機能し1,000以上のトークンをサポートするVisaカードを提供します。これにより東京でコーヒーを買うことから異なるチェーン間でトークンをスワップすることまで、手数料無料でシームレスな即時取引が可能になります。

この体験を支えているのが独自の分散型決済マーケットプレイス「BestPath AVS」です。このシステムではソルバー、ルーター、リレイヤーが競争してチェーン間の取引を即座にルーティングします。

Triaは2030年までに世界のデジタル決済の25%以上がAIエージェントによって実行されると予測しており、そのためのプログラム可能な決済インフラとしての役割も担うとしています。

公式サイト:https://tria.so/

X:https://x.com/useTria

Medium:https://usetria.medium.com/

Telegram:https://t.me/usetria

Inference


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Multicoin Capitalとa16z CSXが主導するシードラウンドで、1180万ドルを調達。他には、Topology Ventures、Founders, Inc.が参加。

企業向け特化型AIモデルの開発・導入プラットフォーム


Inference.netは汎用の大規模AIモデルに代わる高性能かつ低コストなカスタムAIモデルを企業がトレーニングし、導入することを可能にするプラットフォームです。多くの企業が直面するAI利用における高額なAPIコスト、外部インフラへの依存、他社との差別化の困難さといった課題の解決を目指します。

Inference.netは企業が数百万回単位で実行する特定の反復タスク(文書からのデータ抽出、画像キャプション生成、コンテンツ分類など)を特定し、そのタスクに特化したモデルを構築します。このアプローチにより、汎用の大規模モデルと同等かそれ以上の性能を達成しながら運用コストを最大90%削減し処理速度を2〜3倍向上させることが可能だとしています。

この特化型モデルはGPT-5クラスのシステムと比較して最大100倍も小さく、企業は自社のインフラ上でAIを運用できるようになります。これによりデータプライバシーに関する懸念が解消されるだけでなく自社の独自データでトレーニングされたAIが他社には模倣不可能な競争優位性となります。

今回調達した資金は、モデルとインフラのパフォーマンス向上に向けた研究開発の拡大とより多くの企業にサービスを提供するための事業規模拡大に充当される予定です。

公式サイト:https://inference.net/

X:https://x.com/inference_net

Docs:https://docs.inference.net/introduction

TAO Synergies Inc


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Alphabit FundとDigital Currency Group (DCG)が参加するラウンドにて、1100万ドルを調達。

Bittensorエコシステムに特化した投資企業


TAO SynergiesはAIとブロックチェーンを融合させるBittensorエコシステムへの投資に特化した企業です。同社は2025年6月にSynaptogenixから社名を変更し、バイオテック企業から暗号資産・AIセクターへと戦略の軸足を移しました。

今回の資金調達は新規発行のシリーズE転換優先株式11,000株の売却を通じて行われました。調達した資金はBittensorのネイティブトークンである$TAOへの継続的な戦略投資や、その他関連する収益機会の拡大に充当される予定です。

この資金調達の発表は市場に好意的に受け止められ、同社の株価($TAOX)は発表後に38.5%急騰。TAO Synergiesは1800万ドル以上の$TAOトークンを保有しており、上場企業としては最大のBittensor保有者として知られています。

公式サイト:https://www.taosynergies.com/

X:https://x.com/TAOSynergies

Crown


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Framework Venturesが主導するシードラウンドで、810万ドルを調達。他には、Valor Capital Group、Coinbase Ventures、Norte Ventures、Paxosなどが参加。

ステーブルコインを発行するフィンテック企業


Crownはサンパウロを拠点とし新興市場におけるプログラマブルマネーに焦点を当てるフィンテック企業です。同社はブラジルレアル(BRL)にペッグされ、ブラジル国債によって完全に裏付けられたステーブルコイン「BRLV」のローンチを目指しています。

BRLVの最大の特徴は裏付け資産である国債から得られる利回りの一部を機関投資家パートナーに分配するネイティブな収益シェアリングモデルを採用している点です。

CEOのJohn Delaney氏はこの構造がBRLVを「より安全で公正」なものにし、パートナーは透明性の高い規制されたモデルを通じてブラジルの高金利環境へアクセスできると述べています。

今回の資金調達はCrownがブラジルを代表するBRLステーブルコイン発行者となるための製品開発と市場拡大を加速させるものです。

公式サイト:https://brl.xyz/

X:https://x.com/CrownBRLV

Linkedin:https://www.linkedin.com/company/crown-brl

Orochi Network


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イーサリアム財団、MEXC Ventures、Plutus VC、Bolts Capitalなどが参加したラウンドで800万ドルを調達。

RWAトークン化のための検証可能なデータインフラ


Orochi Networkはデータの信頼性と耐改竄性を証明するインフラを構築するプロジェクトです。EUのDORA(デジタル・オペレーショナル・レジリエンス法)など、規制が強化される中で特にRWA(現実世界資産)のトークン化に不可欠な監査グレードの基盤を提供します。

この資金調達と同時に同社は検証可能なデータベースである「zkDatabase」をメインネットでローンチしました。ローンチ以来7億件以上の証明を処理しており、RWAプロジェクトが暗号学的な確実性をもって資産データを検証することを可能にします。

zkDatabaseは既に1万回以上ダウンロードされており、PlumeやLumiaなど120社以上の企業パートナーと共に「zkDatabase Alliance」を結成するなど採用が加速しています。

またOrochi Networkはベトナムおよび東南アジアにおいて、現地の政策立案者への技術アドバイザーを務めRWAのサンドボックス構築に貢献しています。

ベトナム政府や大手メディアが後援するアジア最大級のカンファレンス「Super Vietnam」を主催するなど同地域でのデジタル資産の未来形成にも深く関与しています。

公式サイト:https://orochi.network/

X:https://x.com/OrochiNetwork

Telegram:https://t.me/OrochiNetwork

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・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。

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