投稿日 2025年 10月 19日
目次
インターコンチネンタル取引所(ICE)から、20億ドルの戦略的投資を確保。
Polymarketは政治、経済、ポップカルチャーなど、現実世界の様々な出来事の結果を予測して取引できる分散型情報市場プラットフォームです。市場価格が将来の出来事に関する集合的見解を反映するため、リアルタイムの予測ツールとして機能します。
今回のICEによる巨額投資はPolymarketにとって大きな飛躍となります。今年6月時点での評価額は約10億ドルでしたが、今回のディールで90億ドルへと急騰しました。
Polymarketは過去に規制上の課題に直面しましたが、今年7月に米商品先物取引委員会(CFTC)から認可を受けた取引所QCEXを買収することで、米国での完全なコンプライアンスを確保し、事業の正当性を確立しました。
この度のICEとの提携は、分散型予測市場が投機的なプラットフォームから、リスクモデリングやマクロ経済予測に活用される成熟した金融データソースへと進化していることを象徴しています。
公式サイト:https://polymarket.com/
Docs:https://docs.polymarket.com/polymarket-learn/get-started/what-is-polymarket#system
Medium:https://polymarket.medium.com/
Andreessen Horowitz (a16z)、Sequoia Capital、Paradigm、Coinbase Venturesなどが参加したラウンドで、3億ドルを調達。
Kalshiは選挙、中央銀行の政策決定、気候変動といった現実世界の出来事(イベント)の結果を直接取引の対象とする、規制に準拠した予測市場プラットフォームです。株式や債券と並ぶ主要な金融資産クラスとして「イベントトレーディング」を確立することを目指しています。
今回の資金調達はKalshiの国際展開と同時に発表されました。これまで米国に限定されていたサービスを140カ国以上のユーザーに開放し、世界中のトレーダーが単一の流動性プールにアクセスできるグローバルな取引所を構築します。これにより、断片化された地域別市場とは一線を画す、深い流動性と正確な価格発見が期待されます。
KalshiはAI業界以外で最も急成長している米国テクノロジー企業と称され、過去1年間で取引高は200倍、ユーザーベースは20倍に増加しました。国際展開前にもかかわらず、世界の予測市場における活動の60%以上を占めています。
競合となるPolymarketも多額の投資を獲得したこともあり、両企業の競争が激化していくとみられます。
調達した資金は、流動性のさらなる拡大、新たな市場の創設、伝統的な金融機関との連携強化などに充てられます。
公式サイト:https://kalshi.com/
Bain Capital CryptoとHaun Venturesが共同主導し、Pantera Capital、Apollo、Stillmarkなどが参加したラウンドで、8200万ドルを調達。
Meanwhileはバミューダ金融庁から認可を受けたすべての商品をビットコイン(BTC)建てで提供する世界初の長期保険会社です。法定通貨の価値下落やインフレから資産を保護するため、契約者に対してビットコイン建ての生命保険、個人年金、貯蓄商品を提供します。
同社は伝統的な保険会社と同様の健全性および準備金基準を遵守しながら、保守的なプライベートクレジットや長期のBTCレンディングを通じて持続可能な利回りを生み出しています。
このビジネスモデルにより個人はBTCで資産を保護・形成できる一方、機関投資家はコンプライアンスを遵守した形で新たな収益機会を得ることが可能になります。
今回の調達により2025年における同社の累計調達額は1億2200万ドルに達しました。ビットコインを長期的な価値保存手段と見なす信頼の高まりを背景に、同社のビットコイン預かり資産(AUM)は200%以上の急増を記録しています。
ApolloやNorthwestern Mutualといった伝統的な大手金融機関の出資は、規制下にある金融商品における基軸資産としてのビットコインの受容が拡大していることを示しています。
公式サイト:https://meanwhile.bm/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/meanwhileinc
Pantera Capital、LDA Capital、Borderless Capital、Ajna Capitalが共同主導した資金調達ラウンドで、3200万ドルを調達。
Bee MapsはSolana上の主要な分散型物理インフラネットワーク(DePIN)であるHivemapper上で動作するアプリケーションです。
AI搭載のダッシュカム(車載カメラ)を通じてドライバーが道路上のリアルタイムの変化(新しい標識、迂回路、工事区域など)を記録しそのデータを提供することで、常に最新で正確なデジタルマップを構築することを目指しています。
データ収集に貢献した参加者にはネイティブトークンである$HONEYが報酬として支払われます。このモデルは分散型のグローバルな協力者ネットワークを構築するためのインセンティブとして機能します。
Bee MapsはすでにLyftやフォルクスワーゲンのロボタクシープログラムといった大手企業と提携し、そのマッピングデータを提供しています。また参加への障壁を下げるためハードウェアやソフトウェアを月額19ドルで利用できる「Bee Membership」プランも新たに導入します。
今回調達した資金はダッシュカムデバイスのさらなる配布、地図情報を処理・更新するAIモデルの強化、そして$HONEYトークンを通じた貢献者へのインセンティブ向上に充てられます。
公式サイト:https://beemaps.com/
Pantera Capitalが主導し、Coinbase Ventures、Reciprocal Ventures、Jump Capitalなどが参加したシリーズAラウンドで、2500万ドルを調達。
Coinflowはステーブルコインを利用した即時決済、AIによる不正利用防止、ブロックチェーンによる配達証明を単一のプラットフォームに統合した次世代の決済サービスプロバイダー(PSP)です。
従来の決済システムが抱える遅延、不正利用、不要なコストといった課題を解決し、統一されたグローバルな入出金インフラを提供します。
このプラットフォームにより企業は国境を越えて即座に資金の受け取りと支払いを行うことができ、さらに不正利用やチャージバックに対する補償も受けられます。これにより事業者はより迅速かつ安全にビジネスを成長させることが可能になります。
2024年のシードラウンド以降、Coinflowは収益を23倍に成長させ年間取引高は数十億ドル規模に達しました。サービス提供国は170カ国以上に拡大しており、マーケットプレイス、フィンテック、ゲーム、給与支払いなど、多様な業界で既に導入が進んでいます。
調達した資金はアジアやラテンアメリカを含むグローバルな支払いネットワークの拡大や、製品基盤の強化に充てられます。
公式サイト:https://coinflow.cash/
General CatalystとFlourish Venturesが共同主導し、Coinbase VenturesやEnlight Capitalなどが参加したシードラウンドで、1500万ドルを調達。
CipherOwlはCoinbaseやCruise出身のエンジニアによって2024年に設立された暗号資産のコンプライアンスに特化したスタートアップです。同社はAIを活用したトランザクション監視システムを開発しています。
このシステムの最大の特徴は生成AIを用いて疑わしい取引を自動的に検出し、その警告を平易な言葉でコンプライアンス担当者に提供することで業務効率を大幅に向上させる点です。
ChainalysisやEllipticといった既存のブロックチェーン分析企業と競合しますが、CipherOwlは「AIネイティブ」なアプローチを強みとしています。AIを単なる追加機能ではなくシステムの中核に据えることで精度、柔軟性、コスト効率の面で長期的な優位性を築くことを目指します。
すでにCoinbaseやOKXといった大手取引所のほか、法執行機関などの公共セクターのクライアントも獲得しています。
調達した資金はチームの拡大、機能開発の加速、そして取引所や銀行、規制当局との連携強化に充てられる予定です。
公式サイト:https://cipherowl.com/
Docs:https://cipherowl.readme.io/reference/introduction
Pantera Capitalが主導し、Lightspeed Faction、Alpha Edison、Motley Fool Ventures、Mark Cubanなどが参加したシードラウンドで、1500万ドルを調達。
TransCryptsはAIによる詐欺やディープフェイクがオンライン上の信頼を脅かす現代において、消費者が検証済みの認証情報(職歴、健康記録、学歴など)を安全に所有・共有できるプラットフォームを提供します。
ブロックチェーン技術を活用することでユーザーに自身のアイデンティティに対する完全なコントロールを与え、検証プロセスを安全、効率的、かつ不正利用に強いものにします。
2021年のローンチ以来、同社は24ヶ月で15倍の成長を遂げFortune 100/500企業を含む450以上の法人顧客と400万人以上のユーザーにサービスを提供しています。
最近HIPAA認証を取得したことで、今後は職歴だけでなくこれまで医療機関にロックされていた個人の健康データにもサービスを拡大する計画です。
調達した資金はサンフランシスコとトロントの共同本社を拠点にチームの倍増と事業拡大の加速に充てられます。
公式サイト:https://www.transcrypts.com/
Hack VCが主導する戦略的ラウンドで、1150万ドルを調達。他には、Generative Venture、DWF Labs、StudioB、Bridge34が参加。
Block Streetは伝統的な金融市場の精度とブロックチェーンのプログラム可能性を融合させ、トークン化された株式のための機関投資家向け取引・レンディングインフラを構築するプロジェクトです。
プラットフォームの中核は「Aqua」と「Everst」という2つのコンポーネントで構成される独自の執行レイヤーです。
「Aqua」はリクエスト・フォー・クオート(RFQ)方式を用いたインテントベースの取引システムで、マーケットメーカーがオフチェーンで競争することで情報漏洩を抑え最適な価格での取引を可能にします。
「Everst」はトークン化株式に特化したレンディング・清算エンジンで、ハイブリッドな清算ルーティングにより、市場の変動が激しい時期でもスリッページを最小限に抑えます。
Block Streetはまず高性能ブロックチェーンであるMonadを基盤としてインフラを展開し、将来的には他のEVMネットワークにも拡大する計画です。単なる取引アプリではなく、トークン化された株式が現実世界の株式と同様に借入、空売り、ヘッジが可能になるような基盤インフラの構築をミッションとして掲げています。
当初はAAPL、TSLA、NVDAといった主要な株式の取り扱いから開始する予定です。
公式サイト:https://blockstreet.money/
Docs:https://docs.blockstreet.money/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/blockstreetmoney
Telegram:https://t.me/BlockStreet_HQ
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