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投稿日 2024年 03月 11日
目次
本レポートは、2024年2月のDeFi市場動向をまとめたものになっています。
主要な指標となるTVLは、ETH価格の50%近い急騰の影響を受け、DeFiで最も多くのデポジットを有するstETHのドル建て評価額が増加し、前月比で47.4%の増加率となりました。
Ethereumエコシステムでは、EthenaのUSDeやMantleのmETHなど、急激に成長するプロダクトも登場し始めており、DeFiでのアクティビティに活発化の兆しが見られつつあります。
2024年2月DeFiレポートより抜粋
リングトレードとIntentベースの設計で、ガスレスでMEV耐性を持つスワップを実現するCoW Swapが、CoW AMMを発表しました。
CoW AMMでは、LPを組む際に平均的に5~7%ほど生じるLVR(Loss Versus Rebalancing)を防ぐ初めての実装となっています。
これまで、論文レベルでのみ議論されていたコンセプトであるため、初の実装となるCoW AMMがLPの収益率を改善し得るプリミティブとして今後注目を集める可能性があります。
CoW DAO | MEV Blocker & CoW Swap on Twitter / X
LSTをデポジットすることで、LTV 100%のステーブルコインUSDeを発行するEthenaがEthereumメインネットでローンチされました。
Ethenaでは、CEXを通じてデルタニュートラルポジションを構築し、担保資産のデルタを0にすることで、価格変動による清算リスクを抑え、高いLTVを実現しています。
LSTによるステーキング利回りに加え、現状の加熱した市場の高い資金調達率により、ショートポジションからの高いファンディングを源泉とした利回りを提供し、大規模な流入が起こっています。
2月24日に、UNIのステーカー/Delegator向けにプロトコル手数料を分配するFee Switchを有効化するための提案のTemperature Checkが開始されました。
執筆時点では、既にこの投票を通過しており、この発表を受けて、UNIトークンの価格は7ドルから12ドル付近まで上昇しました。
月末には、公式UIでの指値注文機能の実装や、ブラウザのサイドバーとして利用できるウォレット拡張機能なども発表しており、動きが活発化しています。
[Temperature Check] - Activate Uniswap Protocol Governance
先月に引き続き、Mantleの増加ペースが顕著(+187k)となっており、前月比で56%の増加、ドミナンストップのLidoの流入(+415k)と比較しても非常に大きな流入が観測されています。
市場シェアベースでも、老舗のRocket Poolを凌駕する勢いで成長しており、10月ローンチから半年足らずで、全体で5番手の位置まで順位を上げています。
現状ではインセンティブやポイントを活用したLSTへの流入が強く、BinanceやRocketPool, Fraxなど、明確な投機的構造を持たないLSTの成長が鈍化し、新規のLSTに資金が集中する状況となっています。
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