本レポートは、2025年1月のDeFi市場動向をまとめたものになっています。
マーケット概観と定点データ
- 1月20日のトランプ大統領の就任をきっかけとして、市場は全体的に持ち直しました。しかしながら、トランプ氏の政策の中心はあくまでもビットコインであるため、ビットコイン価格は上昇したもののアルトコインへの波及は限定的となり、BTCドミナンスは以前として高水準で推移しています。ビットコインの価格上昇に他銘柄がついて来れるかが課題となりそうです。
- トランプ大統領は「アメリカファースト」な暗号資産政策を進めると見られており、米国に関連する銘柄が大きな伸びを見せました。特にSOLに多くの資金が集まり、史上最高値を更新(1月19日:293.31ドル)しました。一方で、米国産ではないETHは価格の伸びが見られず苦境に立たされています。
- ステーブルコインの時価総額が堅調に伸びています。トランプ氏は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発を停止しステーブルコインに注力する姿勢を明確にしており、今後もステーブルコインの勢いは増していくものと思われます。
- DEX取引高が大きな伸びを記録しました。市況改善の期待から、CEXに集まった資金が徐々に流出していったものと思われます。
プロダクト動向
U.S.
トランプ大統領は、デジタル金融技術における米国のリーダーシップを強化するための大統領令に署名しました。
この大統領令は、ブロックチェーンへのアクセスをサポート、ドルに裏付けられたステーブルコインを促進、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を禁止し、大統領令14067を含む以前の規制を取り消すものです。
Presidential Actions - Whitehouse
Arbitrum
ArbitrumはELIZAフレームワークを統合し、AI16zDAOエコシステム内でのAIエージェント開発を強化しました。
ElizaOSは、typescriptで記述されたオープンソースのマルチエージェントフレームワークであり、「高度なマルチエージェントシミュレーション」や「クロスチェーン展開の可能性」などをサポートしています。
また、エージェントビルダーは、「Trailblazer」と「Stylus Sprint」の2つのプログラムから資金にアクセス可能となりました。
AI on Arbitrum is getting an upgrade - on Twitter / X
Ledger
Ledgerは、UniswapをLedger Live Desktopに統合。これによりユーザーはLedgerのセキュリティを維持しながらEthereumトークンを直接取引可能となりました。
今後数か月以内にさらに多くのネットワークが追加される予定であると発表されています。
Ledger x Uniswap is here! - on Twitter / X
DeFi ロック総額(TVL)推移
- 1月のDeFi TVLは横ばいで推移しました。トランプ大統領の就任もあり暗号資産市場全体は盛り上がったものの、ビットコインや米国関連銘柄を中心とした価格上場であり、イーサリアムには比較的恩恵がありませんでした。DeFi TVLに大きな影響を与えるのはイーサリアム価格のため、目立った動きはありませんでした。
- L2に関しても大きな変動はありませんでした。ScrollやStarknetが低迷しおり、さらなる取り組みによる巻き返しが期待されています。
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