2025年5月 DeFiマンスリーレポート

本レポートは、2025年5月のDeFi市場動向をまとめたものになっています。

• 4月初旬に一時74,500ドルまで下落したビットコイン価格は、米中間の貿易摩擦懸念が和らいだことを受け回復基調に転じました。その後、米国内のインフレやドル安への懸念、各州で進むビットコイン準備金構想などを背景に上昇が加速。5月9日に10万ドルの大台を回復すると、22日には11万1800ドルという史上最高値を更新しました。
• イーサリアムもこの流れに追随し、5月上旬の1900ドル弱から14日には2690ドルまで急騰、わずか一週間で40%以上の価格上昇を記録しました。米国でステーキング機能を備えたETFの議論が活発化していることも、市場の期待感を高める一因となっています。
• この二大資産の価格上昇を受け、DeFiエコシステムも再活性化しました。CEXに対するDEXの取引高は前月比で59%増加し、主要なDeFi銘柄の指数である$DPIも15%の回復を見せています。
• 一方で、この好況はまだ市場全体には波及していません。Solanaを始めとする多くのレイヤー1やNFT市場は依然として停滞しており、BTC・ETHに集中した資金がこれらのセクターへ循環していくかが、今後の市場の持続的な成長を占う上での焦点となるでしょう。

Kamino Lend V2のメインネットが稼働。V1コードをベースに構築されており、モジュラーレンディングをSolanaにもたらすことを目的としています。

スクプロファイル戦略を備えた自動化されたEarn Vaults、データ豊富なPro Borrowダッシュボード、機関投資家規模のDeFi用に構築されたモジュラーマーケットレイヤーが導入されました。

Kamino Lend V2 is Live on Mainnet! - X

メインナビゲーションからアクセスできる全く新しいポートフォリオを発表。このアップデートでは、高度なウォレット追跡、マルチウォレット管理、100以上のプロトコルにわたる深い洞察を備えた再設計されたインターフェースが提供されています。

例として、トランザクションスキャナーとなっている「Activity」欄では、100以上のプロトコルと200+のサービスを識別、 Solana全体での深く実用的なインサイト、複数のウォレットをまとめて分析といった機能が提供されており、単なる履歴ログに留まらない性能になっていることが特徴となっています。

The all-new Portfolio is here. - X

Circle Payments Network Mainnetが正式に公開されました。

CPNは銀行と決済プロバイダーが安全に支払い指示を交換し、パブリックブロックチェーン上のUSDCを使用してリアルタイムで決済できるようにするブロックチェーンを利用した決済調整プロトコルとなっています。

また5月末、Circle社はIPOを正式申請しました。現在米国ではステーブルコイン規制を中心に多くの暗号資産規制法案の審議が進んでおり、規制環境が整った後のさらなる成長に期待が集まっています。

Circle Payments Network Mainnet is officially live! - X

USDC発行元サークル社、IPOを正式申請｜リップルの巨額買収提案は白紙か - CryptoTimes

• 5月中旬のイーサリアム40%高騰によって、DeFi TVLは大きく回復しました。SOL価格も回復したもののETHの勢いほどではなかったため、 Ethereum TVLの上昇幅の方が大きくなっています。
• L2 TVLではBase一強状態がより加速しました。Arbitrumは現状、Hyperliquidへ資金を流すために活用されていますが、Xを活用したプロジェクトKaitoのYapperリーダーボードを用いた3ヶ月間のインセンティブキャンペーンを実施するなどチェーンの再起を図っています。

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