投稿日 2025年 06月 12日
目次
Kraken、CMCC Global、Quantstamp、Round13 Capital、Slow Venturesが参加するラウンドで1400万ドルを調達。
Railsは、暗号資産取引における課題である「スピードとセキュリティの両立」を解決することを目指すプラットフォームです。ユーザーは自身の資産の管理権(カストディ)を保持したまま、従来の中央集権型取引所(CEX)に匹敵する高速な取引パフォーマンスを享受できる点が最大の特徴です。
共同創設者兼CEOのSatraj Bambra氏は、「我々のハイブリッドモデルは、両方の世界の長所を提供します。ユーザーはスピードを犠牲にすることなく、オンチェーンでの資産管理がもたらす透明性を得ることができます」と述べています。
技術的には、ユーザーの資産は監査済みのスマートコントラクトウォレットで安全に自己管理されます。一方、取引のマッチングはオフチェーンの中央集権型エンジンでミリ秒以下で高速に処理されます。その上で、ゼロ知識証明とマークルツリーという暗号技術を用いて取引データを集約・検証しオンチェーンに記録することで、高い透明性とセキュリティを確保しています。
プラットフォームは取引速度の向上とコスト削減を目的として、大手取引所Krakenが開発するレイヤー2ネットワーク「Ink」上に独占的に展開される予定です。
公式サイト:https://rails.xyz/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/railsxyz/
Founders FundとPantera Capitalが共同で主導するシリーズAラウンドで、800万ドルを調達。他には、Symbolic Capital、SALT Fund、Flowdeskなどが参加。
Avantisは、ユーザーが暗号資産だけでなく金や為替(FX)といった現実世界の資産をオンチェーンで取引できるレバレッジ取引プラットフォームです。すでに累計取引高は75億ドルを超え、6万人以上のユーザーに利用されており、Baseチェーン上で最大のデリバティブプロトコルとなっています。
今回の調達資金は、プラットフォームの提供価値をさらに拡大するために活用されます。Avantisは株式、スポーツ、予測市場などの新たなアセットクラスのサポートを追加し、「あらゆるグローバルな資産、市場、イベントをオンチェーンに持ち込む」というビジョンを掲げています。
このビジョンを実現するため、Avantisは現在「Avantis v2」として知られる技術的な全面刷新を進めています。AMM(自動マーケットメーカー)をアップグレードしてあらゆる価格フィードに対応できるようにすることや、高速かつガス代不要の取引を可能にする独自のEVM互換ブロックチェーンのローンチが計画されています。
v2のローンチは数ヶ月以内を予定しており、AMMの資本効率が10倍に向上するほか、高度な取引機能や現実世界資産市場向けのクロスマージニング機能などが実装される見込みです。
公式サイト:https://www.avantisfi.com/
Docs:https://docs.avantisfi.com/
Paradigmが主導するシードラウンドで、520万ドルを調達。他には、Wintermute Ventures、Coinbase Ventures、Breed VC、Robot Venturesなどが参加。
3Janeは、DeFi(分散型金融)の成長を阻害してきた「スケーラブルな信用創造メカニズムの欠如」という課題を解決することを目指すプロトコルです。過剰な担保を必要とする従来のDeFiレンディングとは一線を画し、ユーザーの信用力そのものを裏付けとして無担保でUSDCのクレジットラインを提供します。
3Janeの最大の特徴は、オンチェーンとオフチェーンの情報を組み合わせた独自の与信審査モデルです。Cred Protocolなどのオンチェーン信用スコアに加えて、zkTLS技術を用いてVantageScoreといったオフチェーンの伝統的な信用スコアや銀行のキャッシュフローを安全に検証します。これにより、リスクに基づいた精緻な与信判断を大規模に実行することが可能になります。
貸し手はUSDCをプロトコルのプールに預け入れることで、利回りを得ることができます。借り手はDeFi資産、CEXの資産、銀行預金、将来のキャッシュフローなど保有するあらゆる資産を総合的に評価され与信枠を得ます。焦げ付いた債権は米国の債権回収業者が参加するオンチェーンオークションで売却され、プロトコルの健全性を維持します。
プロジェクトは段階的なロードマップを掲げており、2025年第3四半期には選ばれた優良ウォレットへのクレジットライン提供を開始し、実際の返済データなどを活用して与信審査アルゴリズムを継続的に改善していく計画です。
公式サイト:https://www.3jane.xyz/
Whitepaper:https://www.3jane.xyz/pdf/whitepaper.pdf
Discord:https://discord.com/invite/xzfNggwBjH
a16z crypto CSXが主導するシードラウンドで、400万ドルを調達。
Launcher Capitalは、AIとブロックチェーン技術を統合することでゲームの制作とプレイの方法を再定義することを目指すプラットフォームです。
従来のゲーム業界において、ストーリーテラーやゲームクリエイターが直面する開発上の障壁やIP利用の困難さ、そしてファンが画一的なコンテンツに限定されがちな現状を打破することをミッションとしています。
同社のプラットフォームは以下のような特徴を有しています。
Launcher Capitalでは、ストーリーテラーは自身のIPをオンチェーンで簡単に登録・収益化でき、ゲームクリエイターはAIアシスタントとパーミッションレスなIPライセンスを活用して開発を迅速に行うことが可能です。
公式サイト:https://launcher.capital/
X:https://x.com/launchercapital
HashKey Capital、FBG Capital、Hailstone Labs、DePIN X Capitalなどが参加するラウンドで、400万ドルを調達。
HashPowerは、ユーザーが物理的なハードウェアを所有することなく、質の高いプロジェクトのマイニングやステーキング報酬を得ることを可能にするプラットフォームです。
現実世界のインフラとDePIN(分散型物理インフラネットワーク)+ AIを活用したトークン経済モデルを橋渡しすることで、PoSシステムへの参加や、トークン化されたコンピュート報酬へのアクセスを民主化します。
同社はすでにAethir、Multiple Network、XPIN Networkなど複数のパートナーと6000万ドル規模のMOU(基本合意書)を締結しており、分散型マイニング、コンピューティング、AIインフラの分野でエコシステムの成長や共同研究開発を進めています。
今回の調達資金は、グローバルな分散型マイニング能力の拡大、ステーキング報酬の最適化、現実世界のデジタル資産とAIインフラ構築というビジョンを加速させるために活用されます。
公式サイト:https://www.hashpowerx.com/
M31 Capitalが主導するラウンドで、300万ドルを調達。他には、Base Ecosystem Fund、MH Ventures、Absoluta Digital、2sharesfund、Levitate Labsなどが参加。
HeyElsaはデジタル資産管理に伴う複雑さを解消することを目指すプラットフォームです。オープンソースの大規模言語モデル(LLM)を活用した独自の自然言語インターフェースにより、ブリッジ、ステーキング、スワップといった手間のかかる暗号資産の操作を、チャットや音声による直感的なコマンドに置き換えます。
この中核をなすのが、AIエージェント、インテントエンジン、オンチェーンスクリプト実行を組み合わせた独自のアーキテクチャ「Elsa AI Automata」です。
これにより自律型エージェントがユーザーの意図を解釈し、複雑なワークフローを安全かつ効率的に実行します。またメールで登録するだけで安全なMPCウォレットが提供され、シードフレーズやブラウザ拡張機能を不要にするなどユーザー体験の簡素化を図っています。
すでにEthereum、Base、Solanaなど8つ以上のチェーンに統合され、1500万ドル以上のオンチェーン取引量を処理しています。ユーザーはHeyElsaを通じて以下のような機能を利用できます。
今回の調達資金は対応チェーンの拡大、AIインフラの改良、そしてエンタープライズ統合の拡大に充てられます。HeyElsaはカスタムウィジェットやAPIなどのB2Bソリューションを通じて、他のWeb3製品がAIネイティブな体験を統合するための基盤インフラとなることも目指しています。
公式サイト:https://app.heyelsa.ai/
Discord:https://discord.com/invite/PaRrNjWBPD
Telegram:https://t.me/+bkdWR8pG2zY3ZjQ9
Animoca Brands、Kyber Ventures、Yield Guild Gamesなどが参加したラウンドで、200万ドルを調達。
Shards Protocolはユーザーの貢献を正当に評価するWeb3インフラです。当初はゲームスタジオ向けにユーザーのリテンション率を向上させるSDK「Shards.Tech」として開発されていましたが、Web3エコシステム全体の課題である「信頼性の可視化」に取り組むため、現在の形へと進化しました。
その中核をなすのが、フラッグシップ製品である「Aura」です。Auraは、ステーキングやプロジェクト支援、コミュニティ活動といったユーザーのあらゆるオンチェーンでのマイルストーンを分析し、それを検証可能な評判スコアと報酬に変換します。これにより、これまで評価されにくかった「静かな貢献者」に光を当て、透明性と実力主義に基づくエコシステムを構築することを目指しています。
ユーザーは獲得した評判スコアや実績を示すバッジを自身のXプロフィールに直接表示させることが可能です。評判を積み重ねることでユーザーはより多くの報酬や機会にアクセスできるようになります。
今回の調達資金はAuraの機能強化とエコシステムへの統合、今後のトークンローンチの準備に充てられます。
公式サイト:https://aura.shards.tech/
X:https://x.com/ShardsOfficial
Discord:https://discord.com/invite/euSAYqTNEC
AlphaGamma Venturesが主導するシードラウンドで200万ドルを調達
AINXは、一部の巨大企業に独占されているAIの現状を打破し、AIがユーザーによって所有されビットコインのように協調して運営される未来を目指しています。
この「OwnAI」というビジョンの下、開発元のHelioq Labsは一般ユーザーが自宅からAIの計算能力を提供し、モデルのトレーニングやインテリジェントなタスクを実行できる仕組みを構築しています。
その中核をなすのが、すでに生産段階にある独自のエッジデバイス「Helioq NodeX」です。このGPU搭載デバイスは、検証可能なコンピューティングと連合学習(Federated Learning)をサポートし、ユーザーのデータプライバシーを最優先に設計されています。ユーザーは、自身のデバイスをネットワークに接続し計算能力を提供することで、公平かつ透明性の高いシステムを通じてトークン化された報酬を獲得できます。
プロジェクトのロードマップには次世代機「NodeX 100」のローンチ、マルチチェーン対応のコンピューティング・レンタル市場の開設、カスタマイズ可能なAIエージェントやマルチモーダルコンテンツ生成ツールのリリースが含まれています。
今回の調達資金は、Helioq NodeXデバイスのグローバルな供給網の拡大、インセンティブ設計や開発者ツールを含むエコシステム開発の加速、DePINプロジェクトやL1/L2ネットワークとの国際的なパートナーシップの拡大に活用されます。
公式サイト:https://ainx.io/
Docs:https://ainx-io.gitbook.io/docs
Medium:https://medium.com/@ainx_io
Discord:https://discord.com/invite/ainx
Telegram:https://t.me/AINX_IO
・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
・本記事に掲載された情報や意見は、当社が信頼できると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性、完全性、目的適合性、最新性、真実性等を保証するものではありません。
・本記事上に掲載又は記載された一切の情報に起因し又は関連して生じた損害又は損失について、当社、筆者、その他の全ての関係者は一切の責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。
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