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投稿日 2023年 06月 08日
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本レポートでは、主要なステーブルコイン5種類(USDT, USDC, BUSD, DAI, TUSD)についての動向調査とアップデートを行います。
また、Terra以降急速に変化するステーブルコインを取り巻く法規制とその影響について、重要な動向にフォーカスしてこれらをカバーすることを目的としています。
ステーブルコイン市場は5月時点で1288億ドル規模(上位10トークン)となっており、前年同月比で-21.68%と、大幅な資金の流出を記録しています。
内訳と見ると、USDC, BUSDがSVBの破綻イベントやPaxosによる新規発行停止などを受けていますが、USDTは大きく時価総額を伸ばす状況となっており、ドミナンスに大きな変化が起きています。
タイミングとしては、米国FRBによる利上げで金利が3%を超えた9月末より、ステーブルコインの時価総額の減少が始まっており、インフレを抑えるための政策状況が反映される推移となっています。
5月17日に、Tether社はツイートで5月より、営業利益の最大15%をBTCの購入に充てることを発表しています。
このツイートの2日前の15日には、23年Q1の利益を14.8億ドルと報告しています。
23年Q1終了時点でcrvUSDの裏付け資産の構成比は上記のとおり、現金及び現金同等物の比率が84.7%、内ほとんどがT-Bills(1年未満の国債)、リバースレポ、MMFなどで構成されています。
報告の数値が正しいものであると仮定すると、金利のみで莫大な収益を生んでいると推測することができます。
仮に現在の時価総額をベースにBTCの購入について計算すると、毎月7400万ドル相当のBTC(1BTC = $27,000、2,740BTC相当)が購入される形となり、このオペレーションにより現在のマイナー収益の10%程度が実質Tetherによって購入されることになります。
レポートの後半では、FSB(Financial Stability Board)やFATF(Financial Action Task Force)などの国際機関を含め、主要な国における法規制の状況をカバーしています。
日本国内では、23年6月1日より改正資金決済法が施行され、FIATにペッグされている「デジタルマネー類似型ステーブルコイン」を「電子決済手段等」と定義し、他国に先駆けて法整備が進められています。
施行後は、上記にカテゴライズされるステーブルコインの発行・償還を担うには、銀行業免許あるいは資金移動業の登録が必要とされるといった改正の内容となっています。
上記を含め、EU, 香港, 米国, シンガポール, 英国を含めた各国の規制の作成状況、また近い将来の施行に向けた方針の解説を行っています。
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