PFPプロジェクトのトークン比較・考察レポート

本レポートでは、PFPプロジェクトが独自トークンを発行するケースについて比較・考察を行いました。比較・考察の対象としたプロジェクトは、Azuki、Pudgy Penguins、Doodlesの3つです。AzukiとPudgy Penguinsは既にトークンをリリースしており、Doodlesはトークン発行を発表した段階にあります。

また、本レポートではこれまでの実績を踏まえたうえで、各プロジェクトの動向も整理しています。そのため、これまでの活動内容と今後についての両方を把握することができる内容となっております。

引用：https://www.azuki.com/

Azuki（アズキ）は、日本のアニメ風デザインを特徴としたNFTプロジェクトであり、2022年1月にリリースされました。Azukiは、10,000体のユニークなキャラクターNFTで構成されています。

Azukiは単体のNFTプロジェクトに留まらず、関連するNFTコレクションとして「BEANZ」や「Elementals」も展開しています。また、独自にERC721AやPBTなどのトークン規格を開発し、NFT分野の技術的発展にも寄与しています。

さらに、AzukiはNFTを活用した革新的な取り組みを行っています。その一つとして、ファッションとトークンを融合させた「フィジタル」製品の提供が挙げられます。また、コミュニティの結束を高めるためにオフラインイベントも積極的に開催しており、LINEなど外部の有名IPともコラボレーションを実現しています。

最近の動向としては、アニメ分野への展開が挙げられます。また、Anime.comを買収し、「Animecoin」を展開するなど、NFTを起点として様々な分野に積極的に進出しています。

引用：1,2,3

※2025年3月19日付

Azukiプロジェクトが最初にリリースしたNFTは「Azuki」であり、その後「BEANZ」、そして2023年に「Elementals」が発表されました。

2023年にリリースされたElementalsは即完売となり、当初は非常に熱狂的な反応を得ました。しかし、販売方法や公開されたアートワークが元のAzukiコレクションと非常に類似していたことで論争を引き起こし、その結果Azukiのフロアプライスも一時的に急落しました。現在では価格は安定しています。

Elementalsは「地球、火、雷、水」の4つのドメインをモチーフとしたセカンドコレクションであり、BEANZはLINEのIPや中国の配信サイトBILIBILIなどとコラボレーションを展開しています。また、この他にも「BOBU」というNFTも存在しています。

各NFTのユーティリティは多岐にわたり、NFTのエアドロップやイベントへの参加、限定コミュニティへのアクセス、トークンの配布、限定商品の提供などが行われています。ただし、それぞれのNFTにより提供される内容や特典は異なっています。

引用：https://www.coingecko.com/ja/コイン/anime

※2025年3月18日付

Animecoinは世界のアニメ業界をコミュニティ主導型のクリエイティブネットワークへと変革することを目指しています。「アニメ業界のカルチャーコイン」として、世界10億人のファンがアニメの未来を形作り、その所有者となるデジタル経済を実現します。「フルスタックアニメ」という戦略の下、オリジナルIP制作、メインストリーム配信、専用のインフラを組み合わせ、世界中の情熱的なファンがアニメの未来の所有者になることを可能にする前例のないクリエイティブエコシステムを支えます。

引用：https://www.anime.xyz/tokenomics

• Azuki Community 37.5%
• Community Cultivation 13%
• Domain Expansion 24.44%
• Partner Communities 2%
• Team & Advisors 15.62%
• Company 7.44%

トークンの割り当ては、上記のようになっています。

Animecoinは Ethereum と Arbitrum でローンチしています。総供給量は100億ANIME、初期流通供給量は55億ANIMEとなっており、これはトークン総供給量の50.5%がコミュニティに割り当てられることを意味します。

Azukiコミュニティおよびパートナーコミュニティへのエアドロップは、全体の39.5%にあたり、これらのトークンは即アンロックされました。

エアドロップの割合は、PENGUと比べてAnimecoinの方が少なく割り当てられています。

引用：https://www.anime.xyz/tokenomics

アンロックスケジュールは上記画像の通りになります。

• Azuki Community：ローンチ時に全てアンロック
• Community Cultivation：ローンチ時に25%アンロック、残り75%は3年間毎月アンロック
• Domain Expansion：ローンチ時に51.70%アンロック、6か月のクリフ後、残り48.30%が30か月にわたり毎月アンロック
• Partner Communities：ローンチ時に全てアンロック
• Team & Advisors：ローンチ時は完全ロック。1年目のクリフ後に33.33%アンロック、残り66.67%は1年目から3年目まで毎月アンロック
• Company：ローンチ時は完全ロック。1年目のクリフ後に33.33%アンロック、残り66.67%は1年目から3年目まで毎月アンロック

36ヶ月で全てのトークンがアンロックされる予定となっています。

※2025年3月19日付（上記に加えてDiscordが存在する。人数が集計できないため割愛）

AzukiのXが、SNSの本体アカウントと言えます。

全SNSのフォロワー数を合計すると約205万人になりますが、プラットフォーム間でのユーザー重複が多いと考えられるため、実質的には約40万人ほどとみるのが妥当でしょう。

意外だったのは、InstagramとTikTokでbeanzがそれなりのフォロワーを獲得している点で、プラットフォームの性質とキャラクターの相性が良いのか、数十万回再生される動画もいくつか存在しています。アニメをテーマとするコミュニティであることを踏まえると、こうした人気も納得できます。

YouTubeでは最近公開されたアニメがアップされており、エピソード1とエピソード2ともに200万回以上再生されています。

引用：https://www.pudgypenguins.com/

Pudgy Penguinsは、かわいらしいペンギンのキャラクターを特徴としたNFTプロジェクトであり、2021年7月にリリースされました。Pudgy Penguinsは、8,888体のユニークなペンギンNFTで構成されています。

Pudgy Penguinsは単体のNFTプロジェクトに留まらず、関連するNFTコレクションとして「Lil Pudgys」や「Pudgy Rods」なども展開しています。また、NFT所有者が自身のNFTのライセンスを利用して商品化できる「IPライセンスプログラム」を展開し、NFT分野における新しい収益モデルの創出にも寄与しています。

さらに、Pudgy PenguinsはNFTを活用した革新的な取り組みを積極的に進めています。その一つとして、フィジカルな商品とデジタル資産を融合させた玩具やグッズの提供が挙げられます。また、コミュニティとのつながりを重視し、オフラインイベントの開催や、大手ブランドや人気クリエイターとのコラボレーションにも取り組んでいます。

最近の動向としては、Layer 2ブロックチェーン「Abstract」への展開が挙げられます。現状ではPudgy Penguins自体が直接的に関与しているわけではありませんが、独自トークンの「PENGU」がAbstract上で取引可能となっているほか、IPとしての活用も進められています。

引用：1,2

※2025年3月19日付

Pudgy Penguinsは2021年にリリースされたEthereumベースのNFTコレクションで、当初は中堅レベルのプロジェクトでした。

しかし、「Pudgy Toys」のヒットを契機としてNFT界隈でトップクラスの存在に躍り出ました。Pudgy Toysが人気を集め始めた頃から、Pudgy Penguinsのフロアプライスも上昇し、トークン発行をきっかけに急激に価格が伸びました。同時期に、セカンドコレクションである「Lil Pudgys」の取引量やフロアプライスも増加しました。

現在のユーティリティとしては、「PENGUトークン」のエアドロップ、Pudgy Toysのライセンス取得の機会、ホルダー限定イベントへの招待などが提供されました。

引用：https://www.coingecko.com/ja/コイン/pudgy-penguins

※2025年3月18日付

PENGUは、人気NFTコレクションである「Pudgy Penguins」独自トークンです。2024年12月にSolanaブロックチェーン上で発行され、現在ではAbstractにも対応しています。

PENGUトークンは、「Pudgy Penguins」「Lil Pudgys」「Pudgy Rods」のNFT保有者を対象にエアドロップされました。これら以外の一部プロジェクトもエアドロップの対象となっていました。

トークンの初期総供給量は88,888,888,888枚でしたが、現在の総供給量は76,724,221,264枚となっています。この供給量の減少は、Claimされなかったトークンがバーンされたことによるものです（詳細は後述）。

PENGUは、今後ガバナンス兼ユーティリティトークンとして機能することが予定されています。

引用：https://x.com/pudgypenguins/status/1864852026212983067

• CURRENT & FUTURE TEAM：17.8%
• PROLIFERATION：4%
• FTT HOLDERS：0.35%
• LIQUIDITY：12.35%
• PUBLIC GOOD：4％
• PUDGY COMMUNITY：25.9%
• COMPANY：11.48%
• OTHER COMMUNITIES: 24.12%

トークンの割り当ては、上記のようになっています。

PENGUトークンは、NFTホルダーやグッズ保有者、コミュニティを対象として多くがエアドロップされました。「PUDGY COMMUNITY」、「OTHER COMMUNITIES」、「FTT HOLDERS」を合わせると、総供給量の50.37%がエアドロップされたことになります。このエアドロップは、2024年における注目された事例の一つとなりました。

また、「CURRENT & FUTURE TEAM」と「COMPANY」は1年のクリフと3年のベスティング期間が設けられています。

2025年2月6日にPENGUのClaim期間が終了し、期間内にClaimされなかったトークンはすべてバーンされました。

CoinGeckoのデータによりますと、バーンされたトークンの枚数は12,164,667,623枚であり、これにより総供給量は76,724,221,264枚となっています。

当初の総供給量である88,888,888,888枚のうち、約13.69％がバーンされた計算になります。ただし、このバーンは2月6日時点におけるトークンの価格に大きな影響を与えなかったと見られます。

今回のETF申請では、FT（トークン）とNFTを組み合わせた新しい運用構造が提案されています。具体的には、「PENGUトークン」と「Pudgy Penguins NFT」という組み合わせによる珍しい仕組みとなっています。

もし本ETFが承認されることになれば、他のNFT関連プロジェクトやアルトコインを裏付け資産とするETFの申請が相次ぐ可能性があります。しかし、過去にビットコインETFの承認でさえ時間がかかっていることを考えると、NFTとアルトコインを組み入れたETFは、市場の透明性や流動性、価格操作リスクなどの懸念がさらに高まり、審査は厳しくなると予想されます。

特にNFTは流動性が低く、その個別性や希少性が評価の大きな要素となるため、FTのみの場合に比べて、審査基準がさらに厳格になる可能性があります。

今回のETF申請はNFTを直接組み入れる初の試みであり、業界の新たな方向性を示す可能性がありますが、承認へのハードルは高いと見られています。

※2025年3月19日付（上記に加えてDiscordが存在する。人数が集計できないため割愛）

今回比較した3つのプロジェクトの中でも、Pudgy PenguinsはSNSの総フォロワー数が最も多く、そのうち50%以上がInstagramに集中しています。

InstagramのアカウントプロフィールではWebサイトがShopに設定されており、Pudgy Toysやその他グッズの販売促進に寄与していると考えられます。また、いくつかのコンテンツは1000万回以上再生されています。但し、広告を回している可能性も考えられます。

一方で、Instagramの投稿からはWeb3要素がほとんど感じられず、NFTやFT関連の情報もほぼ見受けられません。TikTokも同様の傾向です。

Pudgy Penguinsは、アニメーション制作にはそれほど力を入れていないため、YouTubeチャンネルはAzukiやDoodlesと比べると登録者数がかなり低い状態です。

NFTとFT以外のコンテンツは、既存のSNS戦略でコミュニティを拡大していったことが予想できます。

引用：https://www.doodles.app/

Doodlesは、2021年10月にEthereumブロックチェーン上でローンチされた、10,000個のユニークなイラストからなる人気のNFTコレクションです。

著名なアーティストであるPharrell Williamsがチーフブランドオフィサー（CBO）に就任するなどが注目されています。現在ではアニメーション、ファッション、音楽など、多方面のエンターテインメント分野にも積極的に進出しています。

2024年9月には、アニメーション映画『Dullsville and the Doodleverse』を公開し、NFTプロジェクトとしての枠を超え、一般的なメディアエンターテインメントとしての可能性を広げました。

さらに、NFTの展開先として、EthereumのみならずBaseといった他のブロックチェーンへも進出しており、独自トークンである「DOOD」についてもSolanaでの発行が予定されているなど、マルチチェーン展開を積極的に推し進めています。

引用：https://x.com/doodles

※2025年3月19日付

主要なNFTとして「Doodles（OG）」がありますが、それ以外にも多数のNFTが展開されています。Base、Solanaといったブロックチェーン上で数多くのNFTをリリースしています。これらのNFTはオープンエディションや大量発行の形式でリリースされており、Doodles（OG）のようなプロフィール画像（PFP）型のNFTとは異なるタイプのコレクションとなっています。なお、2024年からはFlowからBaseへの移行が行われました。

Doodlesではアート、ウェアラブル、コレクションパックなど多彩なアイテムが展開されており、adidas、Crocs、G-Shock、McDonald’sなど著名ブランドとのコラボレーションNFTも特徴的です。

提供されるユーティリティとしては、限定イベントへの参加や製品・サービスへの先行アクセスが挙げられ、今後は独自トークンのエアドロップも期待されています。

Doodlesエコシステムの独自トークン「DOOD」は、2025年2月13日に発表されました。

リリースはSolana上で行われる予定で、将来的にはEthereumのL2ネットワーク「Base」へのブリッジが可能になると見込まれています。

ローンチ直後はミームコイン的な位置付けになると予想されるものの、ゆくゆくはDoodles関連のアプリやサービスでのゲーミフィケーションと組み合わせるなど、ユーティリティトークンとして活用されることが想定されています。

なお、DOODのTGE（トークンジェネレーションイベント）前にはホワイトペーパーが公開される予定であるとCEOが公言しています。

引用：https://x.com/doodles/status/1890082282364629239

• Doodles Community: 30%
• New Blood: 13%
• Ecosystem Fund: 25%
• Team: 17%
• Liquidity: 10%
• Company: 5%

総供給量は10,000,000,000枚で、そのうち68%がコミュニティ向けに配分される予定です。

TeamとCompanyに1年のクリフと3年のベスティングが設定されているため、トークンの完全解放には合計4年間かかる見込みと考えられます。Teamに17%、Companyに5%が割り当てられており、これらを除いた残りの78%がTGE後に即アンロックされる可能性が考えられます。

68%をコミュニティに割り当てる設計は、今回比較した3つのトークンの中でも最も高いコミュニティ配分率であり、1年クリフと3年のベスティングがあります。PENGUに近い設計になっていると言えます。

※2025年3月19日付（上記に加えてDiscordが存在する。人数が集計できないため割愛）

Doodlesは3つのプロジェクトの中でSNSの合計フォロワー数が最も少ないものの、Azukiよりもチャンネル数が少ないことを踏まえると、個々のフォロワー数自体には大きな差は見られません。

特徴的なのはYouTubeチャンネルで、Pharrell WilliamsやLil Wayneの音楽、さらにアニメ映画が公開されており、このアニメ映画は500万回以上の再生回数を記録し、トロント国際映画祭で初公開されたという点が際立っています。

また、InstagramではXと似た内容の投稿が多く、DOODのトークン発表やコラボ情報も公開されているため、web3との関係をあえて切り離している印象はありませんでした。

ここから先のセクションでは、比較結果を踏まえた考察を行います。考察にあたっては、まずAIに考察を行わせ、その後、筆者がさらに検討を加えます。相違する部分については新たに筆者の意見として付け加えます。

使用AIモデル: Open AI ChatGPT o1 Pro

指示内容: まず、これまでに記載したレポートの内容をAIに整理して学習させ、その上で各プロジェクト、トークンの強みと弱みを問いかけるよう指示を行いました。さらに、その分析結果を踏まえてはっきり、順位のつくような形で、考察を行うよう求めました。

※下記はAIの考察をもとに作成し、一部筆者が修正していますのでご了承ください。ここから先は有料ユーザーのみ閲覧できます。