投稿日 2025年 07月 03日
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公募により1億5000万ドルを調達。1株あたり2ドルで7500万株を発行。
Bit Digitalはビットコインマイニング事業から完全に撤退し、イーサリアムを事業の中核に据えるという大きな戦略転換を加速させるため今回の資金調達を実施しました。調達資金はすべてイーサリアムの購入に充てられる予定でこれは上場企業による最大級のETH財務コミットメントの一つとなります。
この戦略転換の背景にはビットコインマイニング事業における課題があります。同社はサードパーティのホスティングパートナーに依存していましたが契約終了により事業が混乱。これを受け、マイニング事業は今後売却または段階的に縮小される予定です。
同社は以前からイーサリアムへの注力を強めており、2025年3月31日時点で約24,434 ETHと418 BTCを保有。将来的には保有するビットコインをすべてイーサリアムに転換する計画です。
またBit Digitalはイーサリアム関連インフラとAI関連サービスへの展開も進めています。完全子会社でハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)事業を手がけるWhiteFiber Inc.が新規株式公開(IPO)を非公開で申請しており、事業の多角化を図っています。
公式サイト:https://bit-digital.com/
X:https://x.com/bitdigital_btbt
DRW Venture CapitalとTradeweb Marketsが主導する戦略的資金調達ラウンドで、1億3500万ドルを調達。他には、BNP Paribas、Circle Ventures、Citadel、Goldman Sachs、Paxos、Polychain Capitalなどが参加。
Canton Networkは、Digital Assetによって開発されるレイヤー1ブロックチェーンです。設定可能なプライバシー機能と機関投資家レベルのコンプライアンスを大規模に提供しています。
Canton Networkは透明性と金融における機密保持の要件という、ブロックチェーン導入における主要な障壁を克服するために設計されています。すでに債券、マネーマーケットファンド、コモディティ、保険など多様な資産クラスが展開されており、今回の資金調達によってさらに数百億ドル規模の実世界資産(RWA)の統合を加速させる計画です。
Canton Networkには今回の投資にも参加したBNP Paribas、Goldman Sachs、Tradewebなど、すでに400近くのエコシステム参加者が集まっています。
公式サイト:https://www.canton.network/
Marathon Management Partnersが主導するシリーズAラウンドで、3100万ドルを調達。他にはM13、Inspired Capital、Newform Capitalなどが参加。
Niuralは複数のベンダーを組み合わせることで生じる非効率なバックオフィス業務を解決するため、業界初となるエンドツーエンドのグローバルPEOプラットフォームを提供します。
Niuralプラットフォームは独自の税務エンジン、統合された決済インフラ、そして実行型AIアシスタント「EMMA」を特徴としています。Niuralを導入することで、顧客は月間60時間以上の作業時間を節約し人事および外国為替コストを最大50%削減、さらに給与計算におけるエラーを90%削減できると報告されています。
Niuralは昨年、年間経常収益を700%成長させ、Tensor、Polygon Labs、Mob Entertainment、Slingshot AI、Karate.comなどの著名な企業を顧客としています。
今回の調達資金はNiuralのAI機能の強化とグローバル展開の加速に充てられ、現代企業のCFOのためのAIネイティブなインテリジェンスシステムを構築するというミッションをさらに推進する計画です。
公式サイト:https://www.niural.com/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/niural
Polychain Capitalが主導した資金調達ラウンドで950万ドルを調達。他には、VanEck、Selini Capital、Portal Ventures、Auros、Renzo、BitGoなどが参加。
Blueprint Financeは、従来の金融システムとオンチェーンのイノベーションを橋渡しする機関投資家レベルのDeFi(分散型金融)インフラ構築を使命としています。同社は、イーサリアム上の「Concrete」とソラナ上の「Glow Finance」という2つのプロトコルの開発を主導しています。
イーサリアム上で展開するConcreteは流動性供給キャンペーンから高度な利回り戦略Vaultまでを提供するDeFiインフラであり、ローンチ以来すでに6億5,000万ドル以上の預かり資産を集めています。
また、昨年Jet Protocolを買収したことを基盤に、ソラナ上でGlow Financeをローンチしました。Glowはクロスアプリケーションの証拠金口座や自動化された利回りVaultといった新しいDeFiの仕組みを導入し、ソラナユーザーにこれまでにない多様性を提供することを目指しています。
公式サイト:https://blueprintfinance.com/
X:https://x.com/Blueprint_DeFi
Multicoin Capitalが主導する戦略的ラウンドで500万ドルを調達。
Yield.xyzは、ウォレット、暗号資産アプリ、ネオバンクなどが、多数の利回り獲得手段を個別に手動で統合する手間をかけることなく、DeFi機能を提供できるようにするインフラを開発しています。
Yield.xyzの単一APIを統合するだけで、アプリは数百ものステーキングやDeFiの利回りソースにアクセス可能になります。特にSolanaブロックチェーン上では200以上の利回りソースへのアクセスを提供しており、暗号資産ウォレットLedgerにとっては最大の利回り提供者となっています。
同社は以前、マルチチェーンウォレットアプリとしてOmniという名称で知られていましたが、リブランディングと今回の資金調達を経て利回り統合のインフラに注力しています。
将来的にはユーザーのリスク許容度に合わせて預金が自動的にリバランスされるような、より自動化された利回り戦略の構築を目指しています。これにより、ステーブルコインの利回りへの需要拡大に応えていく計画です。
公式サイト:https://yield.xyz/
a16z speedrun、London Venture Partners、BRV Capitalなどが参加するプレシードラウンドで、500万ドルを調達。
Spekter Gamesはゲームパブリッシャーであり、Web3の報酬システムをあくまで受動的で舞台裏の機能として維持することで、従来のゲームの楽しさを損なうことなくより多くのユーザーにアプローチできると考えています。
資金調達の発表と同時に同社初のタイトルであるローグライト・アクションゲーム「Spekter Agency」がTelegram上でリリースされました。このゲームはTelegramのミニアプリ基盤上で動作しダウンロード不要で即座にプレイを開始できます。10億人以上の月間アクティブユーザーを抱えるTelegramのプラットフォームとその組み込みウォレット機能を活用することで、従来のWeb3ゲームが抱えていた参入障壁を大幅に引き下げています。
調達した資金は、「Spekter Agency」を他のチャットアプリや従来のアプリストアへ展開するための規模拡大および開発中のセカンドタイトルの制作に充てられる予定です。
公式サイト:https://www.spekter.games/
Discord:https://discord.com/invite/spektergames
Telegram:https://t.me/SpekterAgencyNews
Arche Capital、Lvna Capital、Mechanism Capital、Delphi Ventures、Big Brain Holdings、Bitscale Capitalなどが参加したラウンドで300万ドルを調達。
Inference Labsは2023年に設立され、AIエージェントやオフチェーン計算の正当性を証明するための暗号システムを開発しています。
「Proof of Inference」と呼ばれるこのシステムは、ゼロ知識証明を活用することでAIモデルの仕組みという機密情報を保護しながら、その出力結果が信頼できるものであることを検証します。この技術は、金融やヘルスケアなどの重要分野で利用が拡大する自律型AIエージェントに対する信頼性の懸念に対処することを目的としています。
同社は分散型AIプロトコルであるBittensor上で分散型証明クラスターであるSubnet 2を運営しています。そのモジュラーアーキテクチャはEigenLayerなど他のプラットフォームとの接続も実現しています。
プロトコルは現在テストネットで稼働しており、Bittensorでのメインネットローンチは2025年第3四半期後半に予定されています。将来的にはステーキングやガバナンスの役割を担う独自トークンの発行も計画されています。
公式サイト:https://inferencelabs.com/
X:https://x.com/inference_labs
Eckhardt Capitalが主導するプレシードラウンドで、200万ドルを調達。他には、Big Brain Holdings、Blockchain Founders Fund、Blizzard Fund、Trive Digital、Cosmosなどが参加。
Sphinx Protocolは、独自に開発した許可型のレイヤー1ブロックチェーン「GCX Exchange」上で金融取引インフラを構築しています。
Sphinxプラットフォームは、石油、ガス、その他の主要エネルギー商品を対象とした先物、オプション、無期限スワップへの24時間365日の直接アクセスを提供し従来の市場が抱える非効率性を解決することを目指しています。
従来のコモディティ取引所は高コスト、資本の非効率性、長い決済時間といった課題を抱えていました。Sphinx Protocolはアトミックセトルメント(即時決済)、10分の1に抑えられた取引手数料、そして28%向上した資本効率を実現することで、これらの問題に直接対応します。また注文照合から決済までを合理化しバックオフィス業務のコストを50%削減します。
プラットフォームはCEX(中央集権型取引所)レベルのミリ秒未満の約定速度と、ブロックチェーンによる透明性および最終性を両立させています。さらに機関投資家向けの接続性を確保するため、FIX APIとWebSocketを完全にサポートしています。
Sphinxは、英国のFCA(金融行動監視機構)やバミューダのBMA(バミューダ金融庁)の規制承認を積極的に取得しており、コンプライアンスを重視した取引の場を提供することで次世代のコモディティデリバティブの基盤となることを目指しています。
今回の調達資金はメインネットのローンチ、規制当局との連携強化、そして機関投資家パートナーやバリデーターの確保など、プロジェクトの次なる重要なフェーズに充てられます。
公式サイト:https://www.sphx.io/
X:https://x.com/SphinxProtocol
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