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2025年11月30日-12月6日 資金調達を実施したPJ 8選

投稿日 2025年 12月 11日

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目次

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Portal


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JTSA Globalが主導するラウンドで、2500万ドルを調達。

ビットコイン・ネイティブのクロスチェーンOTCプロトコル


Portal to Bitcoinはブリッジ、カストディアン(保管業者)、ラップドトークンを使用せずに、ビットコインをグローバルな資産市場の決済レイヤーにすることを目指す相互運用性プロトコルです。

Portal to Bitcoinの最大の特徴は、ハッシュタイムロックコントラクト(HTLC)とビットコインのTaprootを活用し、ネイティブBTCと他チェーンのネイティブ資産をノンカストディアルで交換できる点です。「BitScaler」と呼ばれるビットコイン上のレイヤー3技術を採用しており、Lightning Networkに似たハブ&スポーク構造を用いて取引チャネルを開設します。

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既存のTHORChainやChainflipといったクロスチェーンソリューションが、バリデータが管理するボールト(保管庫)に資金を預ける必要があるのに対し、Portal to Bitcoinではユーザーが常にネイティブチェーン上のネイティブ資産のみを扱います。これによりバリデータによる資金の持ち逃げやハッキングのリスクを根本から排除する設計となっています。

セキュリティ面ではCosmos上のEVM(EVMOS)に構築されたNotary Chainを使用し、「Portal Guardians」と呼ばれるバリデータが稼働しています。これらのバリデータはDEXにおいて買い手と売り手のマッチングを行う役割を担いますが、資金の直接的な管理権限は持たないためユーザーの資産を勝手に移動させたり凍結したりすることはできません。

公式サイト:https://portaltobitcoin.com/

X:https://x.com/PortaltoBitcoin

Medium:https://medium.com/@Portal_team

Telegram:https://t.me/portaltobitcoin_announcements

Ostium Labs


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General CatalystとJump Cryptoが共同主導するシリーズAラウンドで2,000万ドルを調達。他には、Coinbase Ventures、Wintermute Venturesなどが参加。

伝統的な資産のオンチェーン無期限先物取引を提供する分散型プラットフォーム


Ostiumは株式、コモディティ(商品)、指数、通貨といった伝統的なグローバル市場の無期限先物取引をオンチェーンで提供する分散型プラットフォームです。Arbitrum上に構築されており、ユーザーは自己管理型ウォレットから直接これらの資産を取引することができます。

従来のCFD(差金決済)ブローカー市場は不透明な価格設定や中央集権的な管理に依存していましたが、Ostiumはこれを透明性の高いオンチェーン環境に置き換えることを目指しています。

Ostiumのアーキテクチャはオンチェーン上に断片化された取引板を再構築するのではなく、オフチェーンの実際の流動性市場から直接価格引用(Quote)を行う「Quote-based pricing」を採用しています。これにより機関投資家レベルの約定力を提供しつつ、スマートコントラクトによる資金の分別管理を実現しています。

Ostiumは現在RWA(現実資産)のオンチェーン取引において主要な地位を確立しており、建玉の95%以上が伝統的な市場に関連しています。これまでの累積取引高は250億ドルに達し、そのうち50億ドルは金属取引によるものです。特に最近のゴールド価格上昇の局面ではオンチェーン上のゴールド建玉全体の50%以上をOstiumが獲得したと報告されています。

今回調達した資金は取り扱い資産クラスのさらなる拡大や増加する取引量に対応するためのインフラ拡張、およびプラットフォームの透明性と効率性の向上に充てられる予定です。

公式サイト:https://www.ostium.com/

X:https://x.com/ostiumlabs

Telegram:https://t.me/ostium_fi

Fin


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Pantera Capitalが主導するシリーズAラウンドで、1700万ドルを調達。他には、Sequoia Capital、Samsung Nextなどが参加。

大口取引向けの次世代グローバル決済プラットフォーム


Finはステーブルコインのスピードと金融機関レベルの信頼性を組み合わせたグローバル決済プラットフォームです。

Citadel出身のIan Krotinsky氏とAashiq Dheeraj氏によって設立され、チームにはGoogle、Meta、Uber、Rippling、Chimeなどのトップ企業出身者が参画しています。また、開発チームはSolana上の軽量ウォレット「TipLink」を構築した実績を持ちます。

現在、国境を越えて数百万ドル規模の資金を移動させるには着金の遅延、不透明な手数料、そして運用上の複雑さが伴います。Finはこの課題に対し既存の銀行インフラをリプレイスするのではなく、ステーブルコインを活用することで即時かつボーダーレスな大口決済手段を提供します。

Finのプラットフォームを使用すると企業や個人は他のFinユーザーへの送金、銀行口座への直接送金、または暗号資産レールを介した送金が可能になります。これにより「暗号資産のような操作感を感じさせない」シンプルさと、実社会での実用性を両立させています。

今回調達した資金はチームの拡大と製品の市場投入に充てられます。初期ユーザーとして、より高速で信頼性の高い決済手段を求めるグローバル企業、金融機関、暗号資産ネイティブ企業などを想定しており、まもなくサービスが開始される予定です。

公式サイト:https://www.fin.tech/

X:https://x.com/fin

BitStack


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13books Capitalが主導するシリーズAラウンドで、1,500万ドルを調達。他には、AG2R LA MONDIALE、Plug and Play Ventures、Serena、Stillmark、Y Combinatorが参加。

欧州発の自動積立アプリ


Bitstackは日常の買い物で生じる「おつり」を自動的にビットコイン(BTC)に変換して積み立てることができるフランス発のモバイルアプリです。

2022年のローンチ以来、Bitstackは急速に成長。現在では30万人以上のユーザーが利用し、累計3億ユーロ以上がビットコインとして貯蓄されています。同社は2025年6月にフランス金融市場庁(AMF)からMiCAライセンスを取得しており、現在はドイツ、スペイン、オランダ、イタリアなど欧州10カ国以上でローカライズされたサービスを展開しています。

今回の資金調達に合わせ、新たな機能としてフランスのIBAN付きユーロ口座とビットコイン還元機能「stackback」を備えたVISAデビットカードの提供を発表しました。このカードを使用すると、すべての支払いに対して手数料無料のリアルタイム「おつり積立」が行われるほか、支払い額の最大1%がビットコインとして還元されます。これは欧州初の試みであり、カードのベータテストは2026年1月13日から開始される予定です。

欧州中央銀行(BCE)によると、過去5年間でユーロ圏の物価は23%以上上昇しておりBitstackはインフレ対策としてのビットコイン貯蓄需要に応えています。

今回調達した資金は欧州全域への展開加速と製品開発、および2026年に向けたチーム拡大に充てられます。

公式サイト:https://www.bitstack-app.com/en?c=EUR

X:https://x.com/bitstack

Telegram:https://t.me/bitstack

Zoo Finance


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Bitrise Capitalが主導する戦略的ラウンドで、800万ドルを調達。他には、Signum Capital、Certik Venturesなどが参加。これまでの調達を含めると総額は1000万ドルに達しています。

ロックされたトークンの流動性解放に特化したDeFiプロトコル


Zoo Financeはロック状態にあるトークンから流動性を引き出すことに特化したDeFiプロトコルです。独自のLVT(Liquidity Locked Token)およびLNT(Liquidity Node Token)プロトコルを活用することで、ロックされたトークンを取引可能なデジタル資産へと変換します。

この仕組みによりユーザーはオンチェーンでのOTC(相対)取引や将来の利回りを対象とした取引が可能になります。本来であれば権利確定期間などで動かせない資産を流動化させることで、投資家やプロジェクトに新たな資金効率の選択肢を提供します。

今回調達した資金これらの流動性ソリューションのさらなる開発と、プロトコルの機能拡張に充てられる予定です。

公式サイト:https://zoofi.io/

X:https://x.com/ZooFinanceIO

Docs:https://docs.zoofi.io/

Axis


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Galaxy Venturesが主導するプライベートラウンドで、500万ドルを調達。今回のラウンドは募集枠の4倍以上の申し込みがありました。他には、OKX Ventures、CMT Digital、FalconX、GSR、Maven 11、CMS Holdingsなどが参加。

機関投資家レベルのオンチェーン利回りプロトコル


Axisは機関投資家レベルの定量的なトレーディング戦略をオンチェーンにもたらすことを目的とした利回りプロトコルです。既存の不透明な利回り商品とは一線を画し、パフォーマンスをリアルタイムで追跡・検証できる透明性の高いインフラを提供します。

Axisの最大の特徴は市場価格の変動に左右されないデルタニュートラルなアービトラージエンジンを採用している点です。クローズドベータ版ではすでに1億ドルの民間資本を用いてストレステストが行われており、ビットコインやゴールドの価格が大きく変動する中でも影響を受けずシャープレシオ4.9という高い投資効率を記録しています。

最初のプロダクトとしてドル連動型デジタル資産「USDx」を提供します。これは価値を維持しながらアービトラージを通じて利回りを獲得するよう設計されており、今後はビットコインやゴールドベースの商品も続く予定です。プラットフォームはEthereumおよびPlasma上でローンチされます。

インフラパートナーには、Veda(ボールト)、Accountable(検証)、Chainlink(準備金証明)などが名を連ねています。Axisは2026年第1四半期に「Origin Vault」を開設し、一般公開に向けたトークンセールや本格ローンチに先立ち、最大10億ドルの預入を目指しています。

公式サイト:https://www.axis.to/

X:https://x.com/AxisFDN

Telegram:https://t.me/AxisFDN

DeepNode AI


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シードおよび戦略的ラウンドで、合計500万ドルを調達。戦略的ラウンドには、Blockchain Founders Fund、Side Door Ventures、TBV、Fomo Venturesなどが参加。

「PoWR」コンセンサスを採用した分散型AIネットワーク


DeepNodeは「オープンインテリジェンス」のためのインフラ構築を目指す分散型AIネットワークです。巨大IT企業の中央集権的な管理に依存することなく、AI開発者、計算能力プロバイダー、バリデータが相互に協力し、報酬を得られる民主的なエコシステムの構築を掲げています。

DeepNodeの最大の特徴は単なる大規模言語モデル(LLM)の開発にとどまらず、医療診断、不正検知、暗号資産取引など、あらゆる業界における予測や意思決定タスクに対応する「マルチツール」アプローチを採用している点です。

独自のコンセンサスメカニズム「Proof-of-Work Relevance(PoWR)」を導入しており、単なる計算処理能力(計算量)ではなく実社会での「有用性」に基づいて貢献者に報酬が付与される仕組みとなっています。

インフラ基盤にはBaseを採用しており、Ethereumのセキュリティを享受しつつトランザクションコストを0.01ドル未満に抑えています。

今回調達した資金は長期的な開発ロードマップの推進に充てられ、開発者が知的財産権(IP)を保持しながら収益化できる環境を整備します。メインネットのローンチは2026年第1四半期末を予定しています。

公式サイト:https://www.deepnode.ai/

X:https://x.com/DeepNodeAI

Haiku


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Big Brain Holdingsが主導するプレシードラウンドで、100万ドルを調達。他には、Auros、Frostlight、Daedalus Syndicateなどが参加。

取引実行プロセスを簡素化するトランザクションインフラ


HaikuはDeFiにおける取引実行プロセスを根本から簡素化するインフラストラクチャプロジェクトです。従来の手順ごとの操作(Transactional)ではなく、ユーザーが望む最終的な結果を定義するだけで実行できる「宣言的トランザクション(Declarative Transactions)」を提供します。

従来のDeFiでは「USDCを貸す→ETHを借りる→スワップする→再預入する」といった手順をユーザー自身が個別に管理する必要がありました。Haikuはこのプロセスを逆転させ、「デルタニュートラルポジションの構築」といったゴールを指定するだけで動的ルーティングエンジンが最適なパスを自動生成します。

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ループやレバレッジ、リバランスなどの複雑なマルチレッグ戦略をリアルタイムで処理し、すべての処理が成功するか、あるいは何も起きないか(All-or-nothing)を保証することで安全性を高めています。

インフラはすでに稼働しており、200ミリ秒未満のルート計算速度を実現しています。現在、20のネットワークと45以上のプロトコルに対応しており、開発者は単一のAPIを通じて、TWAP(時間加重平均価格)やVWAP(出来高加重平均価格)といった機関投資家レベルの高度な注文制御や条件付きリバランス機能を自社プロダクトに容易に組み込むことができます。

今回調達した資金はエコシステム全体における実行レイヤーの統合を加速させるために使用されます。手動による複雑さを排除し、単一のスワップ操作のような手軽さで高度な金融戦略を実行できる環境の構築を目指しています。

公式サイト:https://haiku.trade/

X:https://x.com/HaikuTrade

Docs:https://docs.haiku.trade/haiku/

免責事項


・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。

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