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2025年12月7日-12月13日 資金調達を実施したPJ 8選

投稿日 2025年 12月 22日

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Real Finance


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Nimbus Capitalが主導するプライベートラウンドで、2900万ドルを調達。他にはMagnus Capital、Frekaz Groupなどが参加。

RWA(現実資産)トークン化ブロックチェーン


Real Financeは現実資産(RWA)のトークン化に取り組むブロックチェーンネットワークです。従来の金融とブロックチェーン資産の融合を目指し、銀行や資産運用会社などの規制された金融機関がトークン化資産市場に参入するためのフルスタックプラットフォームを提供しています。

Real Financeの最大の特徴は「デュアル・バリデーター」システムの採用です。ネットワークのセキュリティを担う「技術的バリデーター」と、オフチェーンデータの整合性や規制遵守、資産の追跡を担うカストディアンや引受人などの「ビジネス・バリデーター」を組み合わせるハイブリッドな構成となっています。これによりセキュリティ、分散性、そしてコンプライアンスという「RWAのトリレンマ」の解決を目指しています。

同プロジェクトは最初の1年間で5億ドルの現実資産をトークン化するという目標を掲げています。これは現在のRWA市場全体の約2%に相当する規模です。まずは米国債商品、機関投資家向けの代替ファンド、プライベートクレジットなどの資産から開始し、市場の動向に応じて取り扱う資産タイプを拡大していく方針です。

今回の調達資金はコンプライアンス、カストディ、決済、および運用体制の強化に充てられます。単なる個人投資家向けの投機的なプロジェクトではなく、規制された機関が大規模にRWAトークン化を取り扱うために必要なインフラ整備に注力しています。

公式サイト:https://www.real.finance/

X:https://x.com/RealFinOfficial

Telegram:https://t.me/RealFinanceRWA

MetaComp


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Eastern Bell Capital、Noah、Sky9 Capitalなどが参加するシリーズAラウンドで、2200万ドルを調達。

Web2.5プラットフォーム


MetaCompはシンガポール金融管理局(MAS)から主要決済機関ライセンスを取得している決済および財務管理ソリューションプロバイダーです。

従来の金融インフラ(SWIFT)とステーブルコインネットワークを統合した「Web2.5」アーキテクチャを採用し、企業向けに規制に準拠したクロスボーダー決済を提供しているのが特徴です。

MetaCompの中核となる製品は2025年5月にローンチされた「StableX Engine」と、今回アップグレードされたリスクインテリジェンスエンジン「VisionX」です。

StableXはUSDT、USDC、RLUSD、FDUSD、PYUSDなど10種類以上の主要なステーブルコインと法定通貨に対応し、24時間365日のFX実行と最適なルートによる流動性管理を実現しています。

MetaCompの取引量は現在30以上の市場で月間10億ドルを超えており、企業はコンプライアンスを遵守しながらリアルタイムでの国際決済を行うことが可能です。VisionXエンジンによる厳格なリスク管理と親会社Alpha Ladder Financeを通じたキャピタルマーケットサービスとの連携により、安全な統合環境を提供しています。

今回の調達資金は東南アジア、南アジア、中東への事業拡大および技術開発の強化に充てられます。「現地法定通貨の入金→ステーブルコインによる国境を越えた移動→現地法定通貨の出金」というシームレスな決済レールを確立し、新興市場におけるB2B決済のインフラを強化する方針です。

公式サイト:https://www.mce.sg/

X:https://x.com/MetaCompHQ

TenX Protocols


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Borderless Capital、DeFi Technologies、HIVE Blockchain Technologies、Chorus Oneなどが参加する株式公開に伴う資金調達ラウンドで、2,990万カナダドル(約2200万米ドル)を調達。

ステーキングとバリデータ運用に特化したインフラ企業


TenX Protocolsはブロックチェーンのインフラ企業であり、主にステーキングおよびバリデータ運用に焦点を当てています。同社は12月10日よりカナダのTSXベンチャー取引所(TSXV)にてティッカーシンボル「TNX」で取引を開始します。

TenXはSolana、Sui、Seiなどのハイスループット(高処理能力)ブロックチェーンネットワークを対象としています。投資家は同社の株式を通じてこれらのネットワークでのステーキング活動やバリデータ報酬、およびトレジャリー管理サービスへのエクスポージャーを株式市場経由で得ることができます。

今回の資金調達はカナダでの上場プロセスにおいて一般的な手段であるサブスクリプション・レシート(新株引受権付証書)の発行を通じて行われました。調達資金の一部は、SOL、SEI、USDCなどのデジタル資産でも提供されています。

調達した資金の主な使途は、対象となるブロックチェーンネットワークのネイティブトークンの購入とステーキング運用、および自社のインフラ製品・サービスの拡大です。トークンを保有・ステークすることでネットワークのセキュリティ強化に貢献しつつ、運用益の確保を目指します。

公式サイト:https://www.tenx.inc/

X:https://x.com/TenXprotocols

Surf


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Pantera Capitalが主導するラウンドで、1500万ドルを調達。他には、Coinbase Ventures、Digital Currency Group (DCG)などが参加。

AIリサーチ・インテリジェンスプラットフォーム


Surfはデジタル資産に特化したAIリサーチプラットフォームです。汎用的な大規模言語モデル(LLM)とは異なり、暗号資産分析のために特別にトレーニングされた独自のシステムとクリプトネイティブなデータセットを組み合わせていることが特徴です。

Surfのプラットフォームはソーシャルメディアのセンチメント(感情分析)、オンチェーンアクティビティ、トークンや市場の動向などの入力を分析するマルチエージェント設定を採用しています。ユーザーはチャット形式のインターフェースを通じて、手動でのリサーチ時間を大幅に削減できる分析結果を受け取ることができます。

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7月のローンチ以来Surfはすでに100万件以上のリサーチレポートを生成しており、前月比50%の成長率を記録しています。また年間経常収益(ARR)は数百万ドルに達し、トップクラスの取引所やリサーチ会社の80%によって利用されているとのことです。

今回の調達資金は次期バージョンである「Surf 2.0」の開発と機関投資家向け製品「Surf Enterprise」の展開に充てられます。

Surf 2.0ではより高度なモデルや拡張されたデータセットに加え、経験豊富なアナリストが行うような多段階のワークフローを実行できる新しいエージェント機能が追加される予定です。またEnterprise版では機関投資家の要件を満たす専用インフラと強化されたセキュリティツールが提供されます。

公式サイト:https://asksurf.ai/

X:https://x.com/SurfAI

Cascade


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Polychain Capital、Variant、Coinbase Ventures、Archetypeなどが参加するラウンドで1500万ドルを調達。

24時間365日対応の次世代ブローカレッジ


Cascadeは暗号資産、主要な米国株式、そしてOpenAI、SpaceX、Stripeといった未公開企業の株式(プライベートアセット)へのエクスポージャーを提供するニューヨーク拠点のネオブローカーです。これら全ての資産クラスのパーペチュアル(無期限先物)市場を、単一の統合証拠金アカウントで管理できる点が最大の特徴です。

同プラットフォームは最新の小売向け証券会社のような使いやすさを持ちながら、24時間365日の取引を可能にする新しい決済スタック上で動作しています。従来の金融インフラが抱える「取引時間」や「バッチ決済」の制約を、暗号資産ネイティブなインフラを活用したソフトウェアベースの即時決済と透明性の高い担保管理によって解決することを目指しています。

Cascadeではユーザーは銀行口座から直接米ドルを入出金することが可能です。単一のアカウント内で株式の保有、デジタル資産の取引、ポートフォリオを担保にした借入、合成資産へのアクセスを行うことができ、これら全てが24時間体制で決済されます。

現在は一部の招待されたユーザーのみがアクセス可能ですが、2026年初頭には一般公開される予定です。ローンチ時には10以上のパーペチュアル市場から開始し順次ラインナップを拡大していく方針です。

公式サイト:https://cascade.xyz/

X:https://x.com/cascade_xyz

Testmachine


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BlockChange Ventures、Decasonic、Delphi Ventures、New Form Capitalが主導するラウンドで、650万ドルを調達。他には、Baboon、UDHC、Auros Global、Generative Ventures、Contango Digitalなどが参加。

AI駆動型ブロックチェーンセキュリティプラットフォーム


TestMachineは2021年に設立されたAI駆動型のブロックチェーンセキュリティ企業です。AIプラットフォーム「Predator」を通じてリスクの検出、軽減、防止をリアルタイムで行うソリューションを提供しています。

TestMachineの技術はすでに業界のリーダーたちに採用されており、特に米大手取引所CoinbaseではトークンのセキュリティおよびデプロイプロセスにPredatorが完全に統合されています。CoinbaseはCEXおよびDEX機能においてPredatorを使用して毎日数百万のトークンをスキャンし、手動プロセスよりも迅速かつ深くわずか数秒で資産のリスク分析を行っています。

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同社の技術力は高い評価を得ており現在100万以上のトークンをリアルタイムで監視しています。11,000トークンを用いた検証テストでは、総額1億2000万ドル相当の「ラグプル(出口詐欺)」を100%の精度で特定することに成功しました。

今回の調達資金はPredatorプラットフォームのグローバル展開の加速とシミュレーション機能のさらなる開発に充てられます。今後は暗号資産取引所、カストディアン、マーケットメーカー、DeFiプロトコルなどへPredatorの導入を拡大し、脅威が発生する前にシミュレーションを行うことで業界全体のインフラ強化に貢献する方針です。

公式サイト:https://testmachine.ai/

X:https://x.com/testmachine_ai

AllScale


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YZi Labs、Informed Ventures、Generative Venturesが主導するシードラウンドで、500万ドルを調達。

セルフカストディ型金融プラットフォーム


AllScaleは銀行口座や複雑な暗号資産の鍵管理を必要とせず誰でも数分でステーブルコインの送受金を可能にするデジタル金融プラットフォームです。「スーパー個人(Super Individual)」や中小企業(SMB)の次世代決済インフラとなることをミッションに掲げ、BNB Chainの公式エコシステムパートナーにも認定されています。

AllScaleの最大の特徴はアカウント抽象化とLLMを活用した金融コパイロット機能です。これによりパスキーベースのウォレットでシードフレーズの複雑さを排除しつつ、ユーザー自身が資産を管理する「セルフカストディ」の安全性を維持しています。

またマルチチェーンの「ペイマスター」アーキテクチャにより、ガス代(ネットワーク手数料)ゼロでの取引を実現し、BNB Chainや高効率なレイヤー2ネットワーク上でシームレスに動作します。

同社は従来の決済プラットフォームが抱える「高い手数料」「遅い決済時間」「厳しい口座審査」といった課題を解決し、ステーブルコインを用いた国境を越えた請求、決済、支払いを可能にします。

すでにアフリカの主要なフリーランサーコミュニティと提携しており、次の四半期にはラテンアメリカへの拡大を計画しています。

公式サイト:https://www.allscale.io/

X:https://x.com/allscaleio

Pye Finance


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VariantとCoinbase Venturesが主導するシードラウンドで、500万ドルを調達。他には、Solana Labs、Nascent、Geminiなどが参加。

ステーキングポジションを取引可能にするオンチェーン市場


Pye FinanceはSolanaブロックチェーン上でタイムロック(期間固定)されたステーキングポジションを取引可能にするオンチェーンマーケットプレイスを構築しているスタートアップです。

現在、Solana上には約750億ドル相当(4億1,400万SOL以上)のステーキング資産が存在しますが、これらは通常一度ロックされると条件のカスタマイズや取引ができずバリデータの競争力やステーカーの流動性管理が制限されています。

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Pye Financeはこの課題に対しロックされたステーキングポジションを譲渡可能にし、期間固定商品として構造化しやすくするアップグレードを開発しています。

具体的な仕組みとして、ロックされたステーキングポジションを2つの資産にトークン化する機能を提供します。

1つは期間終了時に原資産であるSOLと交換可能な「プリンシパル(元本)トークン」、もう1つは満期時に支払われる報酬を受け取る権利を表す「リワード(報酬)トークン」です。これによりステーカーはステーキングを維持したまま将来の報酬エクスポージャーのみを売却したり、他のDeFi(分散型金融)戦略に活用したりすることが可能になります。

同社は今年初めにクローズドアルファ版を実施しており、2026年第1四半期にプライベートベータ版をローンチする予定です。

公式サイト:https://pye.fi/

X:https://x.com/pyefinance

Docs:https://docs.pye.fi/

Telegram:https://t.me/pyefi

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・本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。

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