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2024年8月 DeFiマンスリーレポート

投稿日 2024年 09月 10日

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目次

2024年8月のDeFiマンスリーレポート


本レポートは、2024年8月のDeFi市場動向をまとめたレポートです。

マーケット概観と定点データ


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  • 8月5日、日銀の利上げ決定により円キャリー取引(低金利な円を借りて、高金利な金融資産を運用し、利鞘による運用益を狙う取引)が崩壊し、大量の資金が引き上げられました。それに伴い、日米経済・株式市場が大きく冷え込み、仮想通貨も例外なく大きな影響を受けました。
  • ビットコインは一時50,000ドルを割り込みました。そこから回復基調に入り63,000ドルまで回復したものの、8月下旬には米国経済の指標の悪さを要因として、59,000ドル台で推移する形で取引を終えました。
  • イーサリアムはビットコインほどの回復を見せることが出来ませんでした。原因として、「Dencun」アップグレードによって手数料が削減され、レイヤー2利用者と取引量が大幅に増加した結果、のイーサリアムの取引手数料が低下し、ネットワーク活動の勢いが衰えたことが指摘されています。
  • ビットコインの価格回復や、その他アルトコインの伸び悩みにより、BTCドミナンスは57%を超え、上昇傾向で推移しています。WBTC供給量は減少しているものの、TVLの減少よりは軽微であり、価値保存手段としてビットコインに資金が集中している状況と言えるでしょう。
  • アルトコインへの資金流入に注目が集まります。

プロダクト動向


BitGo & MakerDAO


BitGoはラップドビットコイン(WBTC)製品を香港拠点のBiT Globalとの多司法管轄区合弁事業(a multi-jurisdictional joint venture)に移管し、BitGo、ジャスティン・サン氏、およびTronエコシステム間の「戦略的パートナーシップ」を形成すると発表しました。

しかしながら、この動きは管理一元化の可能性やセキュリティリスクへの懸念を巻き起こし、分散型金融プラットフォームであるMakerDAOは、WBTCを担保とした新規融資を一時停止しました。これはあくまでも新規融資に関するものであり、既存のWBTC担保融資への影響はありません。

MakerDAOのこの動きは、DeFiコミュニティが中央集権化リスクに敏感であり、分散型エコシステムの維持を重視していることを反映していると言えます。

WBTC関連の動きは、未だ決着を見せていませんが、WBTCの普及に関して大きな影響を与えるかもしれません。

WBTC Changes and Risk Mitigation - 10 August 2024 on Forum

Base


Baseは、Basenamesのローンチを発表しました。Basenamesは、オンチェーンでのアイデンティティを確立するために、ユーザーがユニークなbase.ethユーザーネームを要求できるようにするものです。

この他にも、8月はじめには、MiCA準拠のユーロステーブルコインEURCがBase上にてローンチされました。AerodromeFi、Coinbase、CoinbaseWallet、UniswapなどがBaseでEURCをサポートを開始しており、Coinbaseと連携した積極的な動きが見られました。

Basenames are now live on Twitter / X

OpenSea


OpenSeaは、米国証券取引委員会(SEC)から、プラットフォーム上のNFTが有価証券とみなされる可能性があるという理由で法的措置の可能性を示唆するウェルズ通知を受け取りました。

OpenSeaのCEOを務めるDevin Finzer氏は、SECの動きに驚きと反対を表明し、NFTクリエイターや開発者の法的費用を支援するための500万ドルの基金設立を発表しました。

SECのこの動きに対して、米国下院議員のワイリー・ニッケル氏は、強い批判を表明し、同機関が「法執行による規制」の手法を取っていることで、規制システムへの信頼を損なっていると指摘しました。

OpenSeaとSECの対決がどのような決着を迎えるかは未だ不明ですが、規制当局が、投資家保護とイノベーション促進のバランスをどのように取っていくのか、今後の動向が注目されます。、

OpenSea has received a Wells notice from the SEC on Twitter / X

DeFi ロック総額(TVL)推移


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  • 8月5日、日銀の利上げをきっかけとして、日米金利差を利用した円キャリー取引が崩壊したことにより、日米経済が大きく冷え込みました。結果、仮想通貨市場も大きな影響を受け、各チェーンのTVLは大きく冷え込みました。
  • しかしながら、徐々にではあるものの回復基調となっています。また、Scrollは、エアドロップによるインセンティブもあり、大幅な下落に見舞われることもなく、TVLが推移しました。

免責事項


  • 本記事は情報提供のために作成されたものであり、暗号資産や証券その他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的で使用されたり、あるいはそうした取引の勧誘とみなされたり、証券その他の金融商品に関する助言や推奨を構成したりすべきものではありません。
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